尋問施設で拷問された後、病院で死亡か? ミャンマーで軍事クーデターに反対していた詩人が命を落とす

デモ

軍事クーデターに抗議する人々(2021年2月28日、マンダレー)。

Associated Press

  • ミャンマーでは詩人のケット・ティ(Khet Thi)さんが拘束、尋問された後、死亡したとロイターが報じた。
  • ティさんの妻は、遺体から臓器が取り除かれていたと明かした。
  • 2月にクーデターを起こした国軍をティさんは非難していた。

ミャンマーでは身柄を拘束されていた詩人が死亡し、遺族はその遺体が臓器のない状態で戻ってきたと話していると、ロイターが報じた。

暫定政権への抵抗をうたった作品を公表しているケット・ティさんとその妻は5月8日、武装した兵士と警察によって尋問のために連行された。妻のチョウ・スー(Chaw Su)さんは自宅に戻ってきたが、ティさんが戻ることはなかった。ティさんの遺体は9日に戻ってきた。

「朝、電話がかかってきて、モンユワにある病院で彼に会うよう言われました。腕の骨折か何かだろうと思いました。でも、病院へ行ってみると、彼は遺体安置所にいて、内臓が取り出されていたんです」とスーさんはBBCに語った。

2人はザガイン地域シュエボーの中心地区から連行された。この地域は2月の軍事クーデターに対する抗議活動の中心地となっている。

「タッマドゥ」として知られるミャンマー国軍は2月1日、前の年の11月に行われた選挙で大規模な不正があったと主張し、全権を掌握した。

ティさんは国軍に反対し、「彼らは頭を撃つが、革命は心にあることを分かっていない」とのフレーズを書き記した。

病院へ駆けつけた時、スーさんはティさんの心臓に問題があったと聞かされたものの、それが嘘だと分かっていたので、わざわざ死亡診断書を読むことはしなかったとBBCに語った。

ティさんの内臓が取り除かれていることをどうやって知ったのか、スーさんは明らかにしていないが、夫の遺体を埋葬すると言う軍に対して、遺体を家族のもとに返すよう懇願したと話した。

ミャンマーの人権監視団体「政治囚支援協会(AAPP)」は、ティさんが「尋問施設で拷問された後、病院で死亡した」と話している。

軍事クーデターに抗議して死亡した詩人は、ティさんで3人目だ。

AAPPでは軍事クーデターが起きて以来、5月9日の時点で民間人780人が殺害され、4899人が逮捕されたと見ている

[原文:A Myanmar poet died while in detention. His family says his body was returned with organs removed.

(翻訳、編集:山口佳美)

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