FIre Phoneを発表するジェフ・ベゾス。
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Fire Phone(ファイアフォン)はアマゾン創業者のジェフ・ベゾスが、当時ブームになっていたスマートフォン産業を利用しようとして2014年7月に発売したものの、1.7億ドル(約185億2000万円)以上の損失を出して失敗に終わった。
Q&Aサイト「Quora」のスレッドの中では、なぜアマゾンのスマートフォンが失敗したのかが語られている。Business Insider Japanでは、それらの回答の一部をQuoraの協力を得てまとめた。
回答は実業家や開発者、ブロガー、作家として活動しているシルバン・サウレル(Sylvain Saurel)氏が答えたものを編集した。
価格の設定ミスとクオリティの低さが原因
Fire Phoneの失敗の理由はいくつかある。1つは販売時の価格だ。Fire Phoneは、当時既に市場で人気を得ていたiPhoneやサムスンのGalaxy Sシリーズと同じくらいの高価格で売りに出された。
しかしFire Phoneには、競合他社と比べて新しい特徴がなかった上、アプリストアはGoogle Playストアほど完璧ではなかった。
また、Fire Phoneで使用するAndroidのフォークバージョンは他のハイエンドAndroid端末で使用されているAndroidのバージョンよりもかなり古いものだった。したがってFire Phoneを選ぶ顧客はいなかった。
スマートスピーカー「Amazon Echo」で挽回
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ここで驚くべきは、アマゾンとジェフ・ベゾスはこの大きな失敗を驚異的な数十億ドルの成功に変えたことだ。実は、Fire Phoneで使用された音声認識のソフトウェアからジェフ・ベゾスはアイデアを得て、ユーザーの指示に応えられる全く新しいデバイスを生み出した。
それがAmazon Echo(アマゾンエコー)である。
2014年末に登場し、スマートスピーカーという産業を生み出し、今日もAmazonはこの領域でGoogleの先を行っている。発売以来、Amazonは1億台以上(2019年時点)のEchoデバイスを販売している。
起業家に失敗はない
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これからわかるのは、起業家に失敗はないということだ。
間違いを犯すたびにそれから学び、失敗の理由を分析して適応することでより成長し、そして大きな成功を経験できるのである。
[原文:Why did the Amazon Fire Phone fail?/なぜAmazonのスマートフォン (Fire Phone) は失敗したのですか?]
(翻訳、編集・稲葉結衣)