自動運転宅配「ニューロ」が収益化を実現する最有力候補と言える理由。トヨタ子会社ファンドも太鼓判

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自動運転配送サービスの開発を進めるニューロ(Nuro)は、収益化実現にいち早くたどり着くスタートアップとの評価を受けている。

Nuro

順調に資金調達を進め、他社がうらやむほどの優良企業を味方につけたニューロ(Nuro)は、いま自動運転分野で最も注目を集めるスタートアップ企業の1つだ。

グーグルの自動運転開発プロジェクト(現在のウェイモ[Waymo])の初期メンバー2人が設立した同社は、自動運転システムを搭載した配送車両の開発を進めている。食料品、処方せんなど多様な商品の宅配を実現しつつ、将来的には配送料をゼロにすることを目標としている。

ニューロは2016年創業。小売り大手のウォルマート(Walmart)、ドラッグストア大手のCVS、宅配ピザ大手のドミノ・ピザと提携し、実証実験を続けている。これまでに15億ドル(約1600億円)を調達し、評価額は50億ドル(約5400億円)に達する。

Insiderは、ニューロに出資する米資産運用ベイリーギフォード、米投資銀行グレイロック・パートナーズ、トヨタ傘下のウーブン・キャピタルの3社に、出資した理由を聞いた。

回答は次のようなものだった。

大きなチャンスをつかむため、狭い領域にフォーカス

自動運転開発の競合他社のなかには、配車サービスや物流、トラックによる貨物輸送、配送サービスなどを組み合わせて収益化の可能性を広くとろうとするところもあるが、ニューロは設立当初から配送サービスに狙いを定めて開発を進めてきた。

そのため、信頼性の高い自動運転システムを構築する上で解決せねばならない技術的な課題が減り、事業をスケールさせる計画を立てやすくなった。

グレイロックのパートナーで、ニューロの取締役にも名を連ねるジョン・リリーは「輸送する対象をヒトではなくモノにすることで、簡単になることはたくさんある」と指摘する。

配送サービス市場は自動運転開発企業に大きな収益機会をもたらすとみられる。ベイリーギフォードの投資マネージャーを務めるクリス・エブダイモンによれば、eコマース(電子商取引)の普及拡大により、いずれ人間のドライバーでは対応できないほどの配送需要が生まれるという。

「創業当初からモノの配送にビジネスモデルを特化すると断言している企業にめぐり合えて、本当にワクワクしている」(エブダイモン)

経験豊富な創業者たち

グレイロック・パートナーズは自動運転分野における投資機会を探るにあたって、自動運転技術の開発に初めて挑戦する企業は避けたいと考えていたという。

その点、ニューロ共同創業者のデイブ・ファーガソンとジアジュン・ジウは、いずれもグーグルで5年以上にわたって自動運転の開発に取り組んだ経験を持ち、ゼロからのスタートではなかった。

「我々は投資に際して、特別な能力を持っているだけでなく、実戦経験を兼ね備えた開発チームを見つけ出す必要があった。デイブとジアジュンがまさにそうだった」(リリー)

ベイリーギフォードのエブダイモンは、ファーガソンとジウの自動運転開発に関する経験だけでなく、彼らが遠い先を見据えて開発に取り組んでいることにも惹かれたという。

「(投資する側としては)会社を軌道に乗せるのに必要な忍耐力を持った起業家にこそめぐり会いたい」(エブダイモン)

初期段階のめざましい成果

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ニューロ(Nuro)との自動運転宅配サービス実証実験を紹介するドミノ・ピザの特設サイト。本気度が伝わってくる。

Screenshot of Domino's website

自動運転分野の発展は日進月歩というわけにはいかない。そんななかでも、ニューロは設立からわずか5年間にもかかわらず、すでにめざましい成果をあげている。

グレイロックのリリーは2017年にニューロへの出資を決めているが、ファーガソンとジウがつくり上げたチームと、彼らが開発を進めてきたテクノロジーに接し、「驚くほど短期間に大きな進化を成し遂げ」「感動した」という。

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