スエズ運河で座礁した大型コンテナ船「エバーギブン」(2021年3月27日)。
Kristin Carringer/Maxar
- スエズ運河庁は、スエズ運河の幅と深さを拡張する計画だ。
- 3月に座礁した大型コンテナ船「エバーギブン」のような失敗を繰り返さないためだという。
- 幅を約40メートル、深さを約10メートル拡張する計画だという。
エジプトのスエズ運河庁(SCA)は先週、3月に座礁した大型コンテナ船「エバーギブン」のような失敗を繰り返さないために、スエズ運河の幅と深さを拡張する考えを示した。ブルームバーグが報じた。
SCAのラビア長官は5月11日(現地時間)、船の移動性を向上させるために、スエズ運河の幅を約40メートル、深さを約10メートル拡張すると述べた。
拡張工事には2年ほどかかるという。
ブルームバーグによると、エジプトのシシ大統領はこのプロジェクトに「巨額の」公的資金を使いたくないと強調したという。
人工海面水路のスエズ運河は、世界で最も利用者の多い海上交通路の1つで、世界全体の貿易の約12%を手助けしている。
日本の正栄汽船が所有するエバーギブンは3月、砂嵐に巻き込まれて座礁し、大きなニュースとなった。
エバーギブンは6日間にわたって航路を塞ぎ、多くの船がその離礁を待たなければならなかった。航路変更を余儀なくされた船もあった。
離礁から数日後、SCAはエバーギブンを差し押さえて、賠償金9億1600万ドル(約1000億円)を要求した。
SCAはその後、賠償金を6億ドルに減額した。しかし、エバーギブンの保険会社は、それでもまだ高過ぎるとしている。
エバーギブンは3月に座礁した場所から30マイル()ほど離れたグレートビター湖に停泊している。
(翻訳、編集:山口佳美)