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地球の成層圏が薄くなっている…温室効果ガスが原因。人工衛星や短波通信に影響を与える可能性も

宇宙から見た亜熱帯の層積雲。

宇宙から見た亜熱帯の層積雲。

Aleksandar Georgiev/Getty Images

  • 地球の成層圏(高度12キロメートルから始まる大気層)が縮小している。
  • 1980年以降、成層圏は約400メートル薄くなっており、今後も縮小していくと考えられている。
  • この縮小は温室効果ガスによるもので、人工衛星の軌道を狂わせる可能性がある。

我々の頭上、平均して約12キロメートルから成層圏が始まる。超音速ジェット機や気象観測気球が飛ぶこの大気層は、高度50キロまで広がっている。しかし、新たな研究によると、過去40年間で、成層圏の厚さが約400メートル縮小したという。

学術誌「Environmental Research Letters」に2021年5月5日付けで掲載された論文によると、人間が排出した温室効果ガスが、成層圏縮小の背景にあるという。

化石燃料の燃焼で発生した二酸化炭素が大気の最下層の対流圏に入ると、地球に降り注いだ太陽光の一部は、反射して宇宙に戻ることなく、対流圏に閉じ込められてしまう。それが、地球温暖化の原因だ。そして二酸化炭素排出量が増えるほど、太陽からの熱は対流圏に閉じ込められ、宇宙に向かう際に成層圏を暖められなくなる。そのため、成層圏は冷えていく。

ほとんどの物質がそうであるように、成層圏も冷えると収縮する。1960年代から2010年代半ばにかけて、成層圏の温度は最大で摂氏3度低下した。世界の温室効果ガスの排出量が現在のレベルのまま、または増加した場合、成層圏は縮小し続けると予測されている。

今回の論文では、2080年までに成層圏の厚さは約1.6キロ薄くなると示唆されている。1980年から2018年までの平均的な厚さと比較すると、約4%の縮小だ。

この縮小により、GPSナビゲーションシステムや無線通信、衛星の軌道などに支障をきたす可能性がある。

収縮する大気

成層圏がオレンジ色に染まっていく様子が、国際宇宙ステーションから撮影された。

成層圏がオレンジ色に染まっていく様子が、国際宇宙ステーションから撮影された。

NASA/Marshall Space Flight Center

地球の大気は、ケーキのように何層にも重なっている。

対流圏は地球に最も近い、高度約12キロまでの層で、ここでほとんどの気象現象が発生する。民間航空機が飛ぶ領域でもある。そして対流圏界面(対流圏と成層圏の境界)の上に成層圏がある。

成層圏は高度50キロまでで、成層圏界面を挟んで高度80キロまでが中間圏、その先から高度700キロまでが熱圏で、人工衛星や国際宇宙ステーションが周回しているところだ。中間圏と熱圏には電離層が存在する。

今回の論文では、成層圏の両側にある対流圏界面と成層圏界面が近づきつつあり、成層圏が圧縮されていることが示唆された。1980年以降、対流圏界面の高度は上昇し、成層圏界面の高度は下降しているのだ。この傾向は、二酸化炭素の排出量を大幅に削減しない限り、今後も続くと予測されている(気中の二酸化炭素濃度は2020年に過去最高を記録した)。

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