Inti St Clair/Getty Images
- フランスのワイン生産地は4月、記録的な寒さに襲われ、氷点下になった日もあった。
- この気温の低下は、2021年の収穫量を最大で50%減少させる可能性があると、CNNが報じている。
- ニールセンのデータによると、2021年のワインの売上高は前年比で13.1%減少した。
CNNによると、フランスは4月に記録的な寒さに襲われ、同国の農作物の80%が被害を受ける可能性があるという。「一部地域の収穫量は、25%から最大50%まで減少すると見られる」と、ワイン業界団体であるCEEVはCNNに語った。
France 24によると、4月の初めの3日間は氷点下の日が続き、摂氏マイナス5度とこの時期の史上最低気温を記録した。
同地域の農家では寒さで作物が傷むのを防ぐためにロウソクや焚き火をする様子が見られたと、CNNは報じている。
この低温が被害を大きくしたのは、3月が異常な高温で作物の開花が早かったこともある。
「作物が傷みやすいのは、成長し始めたときだ」と、フランスのローヌ地方でワイン生産を行っているAOCコルナス・シンジケートのアン・コロンボ(Ann Colombo)代表はCNNに語った。彼女は、気候変動によって、ここ20年でブドウの収穫時期が9月末から9月初めに約1カ月早まったと付け加えた。
ワイン業界の課題は、季節外れの低温だけではない。
新型コロナウイルスのパンデミックで、ワイン醸造所は農園ツアーやワインの試飲会を1年間中止せざるを得なかった。CEEVは、コロナウイルスの影響を受けたワイン企業を支援するための救済措置を発動し、市場の再構築に向けた資金援助などを行った。また、フランスのワインは、ドナルド・トランプ前政権によって高い関税が課され、業界にとってさらなる打撃になっている。
ニールセン(Nielsen)からInsiderに提供されたデータによると、2021年のワインの売上高は、2020年に比べて13.1%減少している。ワイン全体の売上は低いが、ロゼワインに興味を持つ消費者は急増しており、大型小売店のコストコ(Costco)はそのブームに乗っている。
(翻訳:Makiko Sato、編集:Toshihiko Inoue)