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当たり前を問い直し、自分の言葉で話す。アート思考が1時間で身につく直島の「南瓜」の鑑賞法

末永幸歩さんと南瓜

草間彌生「南瓜」1994。

撮影:末永幸歩

あなたは今、溢れる情報に振り回されていないだろうか。誰かが言っていたこと、ネットの口コミだけを頼りに物事を判断していたら立ち止まって考えてみて欲しい。今ある誰かの作った正解は、あなたにとっての正解だとは限らないということを。

これからの時代により重要になるのは、情報の中から正解を見つけることではなく、自分を知り自分なりのものの見方をして答えを作っていくことだ。そして、そのためのツールとして有効なのが「アート的なものの見方=アート思考」だといわれる。

アートというと敷居が高く感じるかもしれないが、『13歳からのアート思考』の著者で美術教師の末永幸歩さんは「すべての人は子どものときアーティスト性を持つが、大人になってそれを喪失している」と言う。そこで本稿では、末永さんが草間彌生さんの「南瓜」を題材に直島で行ったワークショップをもとに、ゼロからアート思考を身に付けられる方法を解説する。

※編集部注: 末永さんが直島で行った「アート思考」のワークショップは、オンライン動画学習サービス「Udemy」で提供している講座の一部を抜粋したもの。草間彌生「南瓜」のほか、クロード・モネの「睡蓮の池」など、3つのアート作品を題材に「『アート思考』の授業」を展開している。


この日、ワークショップに参加してくれたのは中学生から大人まで。さまざまな年齢や職業の12名です。

今回は、草間彌生さんがどんな人なのか、彼女にとっての南瓜とは何なのかといった事前情報は一切なしに、先入観を持たずに自分の目で作品を鑑賞することからスタートしました。

アート思考への道(1)ディスクライブする

アートを“自分自身の目”で見るために有効な方法として「ディスクライブ」があります。

これは、気がついたことをとりあえず声に出したり書き出したりしていきます

いきなり「作品の感想を発表しよう」と言われると難しいのですが、

「ポップな形だなあ」

「凸凹しているなあ」

「ドットがあるよ」

などといった、ディスクライブからスタートすると、鑑賞へのハードルがぐっと下がります。

この時、重要なのは数をたくさん挙げること。最低でも20個以上、気付いたことを書き出してもらいます。たくさん書こうとすることで、より深く対象を観察することにつながるからです。

気づいたことを書き出しているうちに、例えば「かわいいな」といった感想も自然と出てくるようになります。 感想が出てきたら「なぜそう感じたのか」と考えてみましょう。

最初は「南瓜かわいい」「なぜそう感じるのだろう?」「丸いからだ」といったシンプルな思考でもいいのです。何でもいいので感想が出てきたら書き留めていく。

これが、第一段階です。

アート思考への道(2)見方を変える

次に、作品を別の角度から見てみましょう。

最初のディスクライブで使ったのは、主に視覚です。ですので、ここからは視覚以外の五感を使うことで視点を変えます。

この時のワークショップでは

「どんな匂いがする?(匂いを具体的なものに喩えると?)」

「どんな音が聴こえる?(楽器や音楽に喩えると?)」

「温度を感じてみよう(温度を具体的なものに喩えると?)」

といった問いかけをし、(1)からそれぞれもう一歩ずつ、鑑賞を深めました。

また、

「架空の登場人物や生き物になって作品に入り込んでみよう」

「この作品をつくっている人の気持ちを想像してみよう」

といった、視点を変える問いかけもします。

それ以外にも、第一段階で「これは南瓜だ」と書き出した人であれば、「では、これが南瓜じゃなかったとしたら?」というように最初に自分がしていた見方をいったん否定してみるのもいいでしょう。

この段階では、ひたすら思考を拡散させます。「感じること」には、正解も不正解もありません。思いついたことは、なんでも箇条書きにしていきます。

ここで感じたことをさらに10個は書き出し、最初のディスクライブの20個を含めて、合計30個以上の気づいたこと、感じたことが手元にある状態にします。

末永幸歩さんのワークショップの様子

末永さんが直島で行った「アート思考」のワークショップはオンライン動画学習サービス「Udemy」で提供している。

末永さん提供

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