ソニーはエントリー向けスマホ「Xperia Ace II」を発表。カラーバリエーションは、ブラック、ホワイト、ブルーの3色だ。
出典:ソニー
ソニーは5月19日、新型スマートフォン「Xperia Ace II」(エース・マークツー)を発表した。国内専売モデルで、NTTドコモが2021年夏モデルとして扱う。
発売日は5月28日。価格はドコモオンラインショップの新規一括購入で2万2000円(税込)。
ソニーはハイエンドモデル「Xperia 1 III」(ワン・マークスリー)、ミドルレンジモデル「Xperia 10 III」(テン・マークスリー)を2021年夏向け製品として発表済み。今回のAce IIの詳細仕様は以下の通りで、前モデルが4万円台前半だった10 IIIより、さらに安価なエントリーモデルという位置付けだ。
- ディスプレイ:5.5インチ1496×720ドット(縦横比18.9対9)液晶
- チップセット:メディアテック製「Helio P35」
- メモリー/ストレージ:4GB/64GB
- カメラ(背面/正面):1300万画素/800万画素
- 防水防じん性能:IP65/68
- バッテリー:4500mAh
Xperiaなのに“ノッチ形状のカメラ”を採用
写真左からAce IIと10 III。Ace IIは正面カメラがディスプレイ内に食い込んでいるのがわかる(編輯部にて画像を加工)。
出典:ソニー
仕様からもわかるが、さまざまな面でXperia Ace IIは、これまでの「Xperiaらしくない」部分がある。
ここでいう「らしさ」とは、前述の1 IIIや10 IIIのようなカメラ、オーディオ、ディスプレイに対するソニーのこだわりの性能や機能のことだ。
例えば、Xperia Ace IIには国内向けXperiaでは初めてとなる、液晶上部にカメラレンズが食い込む形の、いわゆる「ノッチ形状」の正面カメラを搭載する。
ソニーはXperia 1や10において、このノッチ形状のカメラを頑なに不採用にしてきた。その理由は、ノッチ形状では表示コンテンツが欠けたように見えてしまうからだ。
従来のXperiaとは違う”Ace 2”の立ち位置
2019年6月発売の初代Xperia Aceは「Xperia XZ2 Compact」(2018年6月発売)のマイナーバージョンアップモデルだった。Ace IIはAceから「コンパクトさ」を受け継ぎ、エントリー層を意識した「安心・長持ち」というテーマが追加されている。
出典:ソニー
ソニーはなぜ、今回のAce IIではノッチ形状を採用したのか。
ソニーの担当者は「Ace IIはコンパクトであることを最優先にした」と話す。「コンテンツ視聴体験よりもブラウジングなどのデイリーユースを加味し、(持ちやすいサイズ感ながらも)画面サイズを大きくするため」だと言う。
「このシリーズは(1や10などとは)違うコンセプトである」というのが、Ace IIが今までのXperiaらしくないという点である。
5G非対応である点からも伺えるが、メインのターゲットとしているのは、現在は従来型の携帯電話(フィーチャーフォン、ガラケー)からスマホへ移行してくる人などのスマホのライト層だ。
Xperia Ace IIは、アイコンが大きく、各種設定へのショートカットを有した初心者向けホーム画面をプリインストールしている。
出典:ソニー
ライト層に「刺さる」要素として、ソニーは低価格であることに加え、「3年間劣化しにくいバッテリー」や「(エントリー機では採用の珍しい)割れにくいGorilla Glass 6の採用」など、長く使えるといった点を訴求する。
直近のスマホ市場環境を見ると、国内Androidスマホシェア1位のシャープはエントリー~中価格帯のSenseシリーズでシェアを拡大しており、ソニーが「エントリーニーズ」を狙うのに不自然さはない。
ただし、中国・シャオミの「Redmi Note 9T」など、2万円台の5Gスマホが登場するなど非常に競争の厳しい環境になっているのも事実だ。
(文・小林優多郎)