ドイツ人は粉モノ、イタリア人はマンガ、ラーメンは不動の1位 —— 観光客のカネの行方

訪日外国人旅行客の消費総額は2016年、過去最高の3兆7476億円にのぼった。

存在感を増す「ラーメン」と、国によって異なる旅行客の消費傾向は、今後の市場の成長のカギを握る。観光庁のデータを細かく見ていくと、外国人旅行客の意外な消費行動が見えてきた。

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どの地域・国でも必ずトップ3に入るラーメン。

Neilson Barnard/Getty Images

1. 韓国、シンガポールは「肉」

外国人旅行客が日本を訪れる際、最も楽しみにしているのは「日本食を食べること」。実に全体の約7割が日本での食事に期待している。

では、彼らは何を食べているのか。「ラーメン」だ。全体の22.5%が「ラーメンを食べてよかった」と感じているという。「肉料理」(19.0%)や「寿司」(16.3%)の人気も根強いが、食べやすさや手頃さも手伝ってか、ラーメンは外国人旅行客を魅了している。

【地域・国別】観光目的の旅行客が最も満足した飲食(外食)

出典: 観光庁「訪日外国人消費動向調査」(平成28年(2016年)10月〜12月期)

▼ラーメン

台湾、中国、タイ、マレーシア、インドネシア(※)、フィリピン、イギリス、スペイン、アメリカ、オーストラリア

▼肉料理

韓国、シンガポール、インドネシア(※)

▼寿司

ベトナム、インド、フランス、イタリア、ロシア、カナダ

▼その他

魚料理 香港

小麦粉料理 ドイツ

※同率タイ

2. ベトナム人は7万円以上を使う

中国からの旅行客によるいわゆる「爆買い」が落ち着いたとはいえ、ショッピングは依然として日本の観光の大きな魅力の1つだ。

旅行客1人あたりの日本滞在中の買い物代を見てみると、最も消費額が高いのはやはり中国で12万6163円、次いで香港(8万3270円)、ベトナム(7万3298円)、ロシア(5万1933円)、台湾(5万423円)と並ぶ。観光を目的とした外国人旅行客の平均は6万1193円なので、中国や東南アジアの「買い物熱」が平均額を支えていると言えそうだ。

彼らは何を買っているのか。注目すべきは、(1)そもそも商品単価の高そうな「カメラ・時計」や「服・かばん・靴」を購入しているのが中国ではなく、ベトナムやタイであること、そして(2)「マンガ・アニメ関連」や「書籍類」を購入しているのは、イタリア、フランスといった欧州であることだろう。中でもベトナムは、自国の安定的な経済成長を背景に、今後も高い購入意欲が維持されそうだ。

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購買意欲の高い外国人でにぎわう免税店

Getty/Chris McGrath

【品目別】最も購入率が高い地域・国

出典: 観光庁「訪日外国人消費動向調査」(平成28年(2016年)10月-12月期)

菓子類

韓国(82.3%)

食料品・酒・たばこ

フィリピン(80.4%)

カメラ・時計

ベトナム(35.3%)

電気製品

中国(27.7%)

化粧品・香水

中国(77.6%)

医薬品・健康グッズ・トイレタリー

中国(73.7%)

和服・民芸品

フランス(48.1%)

服・かばん・靴

タイ(68.6%)

マンガ・アニメ・キャラクター関連

イタリア(32.4%)

書籍・絵葉書・CD・DVD

フランス(36.4%)

3. ブログはガイドブックを超えた

ブログやSNSの広がりとともに、いまや旅行に関する情報収集の手段はウェブが中心となりつつある。観光を目的に日本を訪れた外国人旅行客も、訪日前の情報収集に役立ったのは個人のブログ(36.3%)や旅行会社ガイドブック(20.3%)、日本政府観光局ホームページ(19.9%)からの情報だという。また、日本滞在中の情報はスマートフォンから得たという回答が全体で68.7%と最も多く、外国人旅行客が「滞在中にあると便利」と答えたものは、「無料wifi」(51.3%)と「交通手段」(46.4%)、「飲食店」(32.9%)の順だった。

2016年、訪日外国人旅行者数は2400万人を超えた。政府は2020年までに4000万人に拡大、その旅行消費額を8兆円とすることを目標にしている。日本にとっては東京オリンピック・パラリンピック開催を控え、国際的な関心を集めやすい、またとないチャンスだ。しかし、いまや観光は国際的な一大産業。ライバルも多い。外国人旅行者の日本に対する期待やニーズをつかみつつ、日本に来ないと体験できないサービスをいかに提供していくかが今後のポイントとなりそうだ。

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