健康管理は正確な体重測定から…体脂肪や筋肉量とは関係のない体重変動の原因9つ

体重測定時に身につけているスリッパや衣服も、計測値に影響を及ぼす要素だ。

体重測定時に身につけているスリッパや衣服も、計測値に影響を及ぼす要素だ。

Getty/Terry Vine

  • 人の体重の変動は、体脂肪や筋肉量の増減によるものとは限らない。
  • 食べたもの、運動、さらには計測する時間帯によっても、体重計に表示される値が上下する可能性がある。
  • ダイエットやエクサイズの成果を確認するには、できるだけ同じ条件のもとで体重を量ることが大切だと、医師のティム・チャーチ氏はアドバイスしている。

定期的に体重計に乗って、体重の増減に目を光らせている人は多い。

体重計に表示される数字がダイエットやエクササイズの努力を反映していなくてがっかりしてしまう人もいるだろう。しかし体重は、筋肉量や体脂肪などの体組成とは無関係な理由で増減することがある。それは、ごく普通に起きる現象だ。

臨床運動生理学者のジェフリー・A・ドルガン(Jeffrey A. Dolgan)氏は、シェイプ(Shape)に掲載された記事へのコメントで、体重は、測定する日によって、最大で10ポンド(約4.5キロ)ほど変動する可能性があると指摘している。

塩分の多い食事から飲酒まで、体重を変化させうる要素は実にさまざまだ。以下では、「正確な体重」を測定するために気をつけたい9つのポイントをご紹介しよう。


1. 女性ホルモン

女性ホルモンの分泌量の変化によって体重が増減するケースは多い。

パーソナルトレーナーで女性向けのヘルスコーチを務めるヘイリー・マディガン(Hayley Madigan)氏はInsiderに、「男性に比べて、女性は体重の変動が激しい人が多い。これは、女性の生殖ホルモンや月経周期によるものだ」と語った。

排卵の前後には、エストロゲン分泌量が増大し、体に水分がたまりやすくなる、とマディガン氏は説明する。

「その後、月経周期の終わりに近づくにつれて、ホルモン分泌量が減少するため、体にリバウンド反応が出る。この時期に、女性の体はさらに多くの水分をためこむようになる」


2. 塩分の取り過ぎ

ワンダー・ヘルス(Wondr Health)の最高医療責任者を務める医師、ティム・チャーチ(Tim Church)氏によれば、塩分の摂取量が増えると、体内に水分がためこまれ、体重が急に増えるという。

「塩分を摂り過ぎると、体重に影響が出ることがある。これは、体にためこまれている水分の量が増えることで起きる現象だ」と、チャーチ氏はその仕組みを語った。「体重を量る前日の夜は、特に塩辛い食事を避けた方がよい」とのことだ。

2017年に複数の研究センターが参加し、学術誌「Annals of Nutrition and Metabolism」に掲載されたメタ分析では、ナトリウムに関連する体内の水分量増加が収まるには、数日を要することもあることが判明している。


3. 炭水化物が多い食事

炭水化物が多い食事を摂ることも、体内の水分量を上昇させる原因になる。

炭水化物が多い食事を摂ることも、体内の水分量を上昇させる原因になる。

炭水化物が多い食事を摂ることも、体内の水分量を上昇させる原因になる。

Getty/Cathy Scola

塩分と同様に、炭水化物を多く摂ると、体に水分がためこまれる。

「炭水化物が多い食品を食べると、我々の体は炭水化物を消化してエネルギー源とするためにより多くの水分が必要になる。これは正常な人間の体の反応なので、炭水化物を含む食品を食べることを控えようなどと思わなくてもいい」と、マディガン氏はこの仕組みを説明する。

マディガン氏によると、炭水化物を1グラム食べるごとに、体にためこまれる水分量は3グラム増加するという。つまり、炭水化物が200グラム含まれる食事を摂ると、体重が800グラム増えることになる。

「これは水分量が増えているだけであり、脂肪がついたわけではない」と、マディガン氏は述べている。


4. 脱水症状

お酒を大量に飲んだ翌朝に体重を量ると、普段より軽くなっているのに驚くはずだ。これは、アルコールの利尿作用と、アルコール分解に水が必要なことにより、体が脱水状態になっているためだ。

アルコール以外にも、カフェインやなど利尿作用のある成分を摂取すると、体内の水分量が一時的に少なくなり、体重が減る。しかし、その後はリバウンドが起きると、マディガン氏は指摘する。

「水の摂取量が足りないと、我々の体は生き残りのための反応として、体内に今ある水分量を維持しようとする」とマディガン氏は語る。

「いつもと同じように水を飲み始めると、体はアルコールやカフェインの作用を打ち消そうとして、普段より多くの水をためこむ。そのため、体重が今度は急増するのだ」


5. 体重計の技術的トラブル

体重計に表示される数字が、乗っている人間には関係のない、体重計のトラブルや設定の問題によって変動するケースもある。

「体重の計測値は、驚くほど多くの要因の影響を受けていて、正確な測定は難しい。医療機関でもそれは変わらない」と、チャーチ氏は指摘する。

チャーチ氏がしばしば遭遇する、技術や測定機器にまつわるエラーには、バッテリー残量の低下やバッテリーの故障、体重計が傾いた床やカーペットの上に置かれていたケース、さらには湿気による配線のトラブル、機器の調整不良などがあるという。


6. 体重を量る時の服装

体重を量る時に身につけている服装の重さを少なく見積もりがちだとチャーチ氏は指摘する。特に、スリッパなどの履き物には注意してほしいという。だから、正確な体重を量るには、裸か、最低限の衣服だけを身につけた姿で体重計に乗るのがベストとのことだ。

「できるだけ正確な数値を得るためには、条件を一定に保ち、毎回同じものを着て体重計に乗るべき」と、チャーチ氏は述べた。


7. 激しい運動をした後

激しい運動をした後、特に筋トレーニングやエクササイズを始めて間もない人は、一時的に1.5kgから2kgほど体重が増えることがある。

激しい運動の後には、体重が急増することがある。

激しい運動の後には、体重が急増することがある。

MoMo Productions/Getty Images

これは、筋肉が炎症を起こしたことにより体内の水分量が増えるためだと、理学療法士のゲイリー・カラブレーゼ(Gary Calabrese)はクリーブランド・クリニック(Cleveland Clinic)の記事でコメントしている。

激しい運動をすると、筋繊維にごく小さな裂傷が生じ、これらの傷を修復するために、体に水分をためこむ必要が生じる。運動誘発性筋損傷と呼ばれる現象で、傷ついた組織内に白血球が集まる結果として、炎症が生じる。


8. 体重を量る時間

我々の体重は、1日の中で、食事や水分の消費、トイレに行くタイミングなどに影響を受けながら変動している。

このことを念頭に置いて、同じ条件で体重を比較するためには、1日の同じ時間帯、理想を言えば朝一番に、体重を量ることが望ましい。

「私は常に、夜ではなく朝に体重を量るように勧めている。それは、毎週継続的に正確な計測値を得るためには、胃と膀胱が空の状態で量ることが大切だからだ」とチャーチ氏は語る。

しばらく便秘状態が続いているという場合は、これも体重の数値に影響を与える可能性がある。また、前日に夕食を摂った時間帯が早かったか遅かったかでも、体重は変わってくる。


9. 条件をできるだけ一定に

体のサイズの計測や「ビフォーアフター」写真は、ダイエットや運動の効果をチェックするのに役立つが、チャーチ氏によれば、体の変化を追うのであれば、体重計が有用なツールであることに変わりはない。

そして、重要なことは、同じ体重計を使うなど、同じ条件のもとで体重を量ることだと、チャーチ氏は強調する。こうすることで正確で誤差のない数値が得られるという。

しかし、週に一度体重を量るだけでは、ここまで挙げてきたすべての要素の影響を受けるおそれがある。それを防ぐために、毎日体重を測定し、その上で1週間の平均値を出すという方法もある。

「もうひとつ、心に留めておくべきなのは、体重計に表示される数値は、その人の今の健康状態について、すべてを教えてくれるものではないという点だ」とチャーチ氏は指摘する。

「さらに、毎日の体調や、血液検査や健康診断の結果など、健康状態をより正確に把握するために必要な情報も、主治医に伝えるようにしてほしい」

[原文:9 reasons your weight fluctuates that have nothing to do with fat or muscle

(翻訳:長谷 睦/ガリレオ、編集:Toshihiko Inoue)

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