Tom Williams / Contributor/Getty Images
- ホワイトハウスの新型コロナウイルス対策本部のアドバイザー、アンディ・スラビット(Andy Slavitt)氏は5月18日(現地時間)、自身の息子が新型コロナウイルスに感染し、半年後の今でも、長引く後遺症に苦しんでいると明かした。
- 研究者らは、新型コロナウイルス感染症の生存者の10%が後遺症に悩まされていると見ている。
- 専門家はこれこそが、若い世代がワクチンを接種すべき大きな理由だと話している。
アメリカ、ホワイトハウスの新型コロナウイルス対策本部のアドバイザー、アンディ・スラビット氏は5月18日のブリーフィングで、自身の息子が新型コロナウイルスのさまざまな後遺症に苦しんでいることを明かした。
「許可を得て、個人的なことを打ち明けたいと思います。(ワクチン接種の)重要性を強調するものです。去年の秋、わたしの息子の1人が新型コロナウイルスに感染しました。残念なことに、息子は長引く後遺症と戦う多くのアメリカ人の1人なのです」とスラビット氏は語った。
スラビット氏いわく、同氏の息子は新型コロナウイルスに感染した時は「働き盛り」だったものの、半年後の今でも後遺症に悩まされているという。
「頻脈や息切れの他、インフルエンザのような症状が頻繁に起きるなど、息子は今でも苦しんでいます。その手は触ると冷たいのです」
研究者らは、新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の生存者の10%が新型コロナウイルス感染症罹患後症候群(post-acute COVID-19 syndrome、新型コロナウイルスの後遺症(long COVID)とも言われる)に悩まされていると見ている。米疾病予防管理センター(CDC)によると、こうした患者は倦怠感、思考障害、味覚障害、嗅覚障害、うつ、不安障害といった症状を経験しているという。
スラビット氏は、若い世代にワクチン接種を呼びかけ
CDCによると、パンデミックを通じて、若い世代は上の世代ほどウイルスの影響を受けていない。上の世代の方が、入院したり、死亡する可能性は大幅に高い。
しかし、若い世代もウイルスを運ぶ役目を果たしている。無症状の場合はなおさらだ。そして、軽症だったとしても、スラビット氏の息子のような長引く後遺症に悩まされる恐れがある。
スラビット氏は、若い世代の人々に新型コロナウイルスのワクチン接種を勧めるために、自身の息子の話を共有した。
「若い時は、こうしたことは自分には関係がないと思いがちなのは、わたしにも分かります。ワクチンは必要ないと感じるかもしれません。自分は健康だ、と。新型コロナウイルスに感染しても、全く問題なくやっている人たちを知っている、と思っているかもしれません」とスラビット氏は話した。
NYCヘルス+ホスピタルズの感染症疫学者サイラ・マダッド(Syra Madad)氏は以前、新型コロナウイルスが長期的にどのような影響をわたしたちに及ぼすかは、まだ分からないことが多いとInsiderに語っていた。
「まだよく分かっていない、後遺症による影響があります。だからこそ、自分をそういう状況に置かないでください」とマダッド氏は言い、ウイルスからの長期に及ぶ影響を避けるためにもワクチン接種を受けるよう勧めた。
(翻訳、編集:山口佳美)