「女性」「20代」「一人暮らし」リモートワークのストレス・不安が強い傾向

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長期化するリモートワークで、20代や女性が特にストレスを感じていることが分かった。

撮影:今村拓馬

リモートワークでストレスを感じやすいのは、「女性」「20代」「一人暮らし」 —— 。

民間企業がリモートワークで働く人を対象にしたアンケート調査で、そんな傾向が明らかになった。

調査を実施したのは、企業向けのストレスチェックや職場改善支援事業を行うピースマインド(東京都中央区)。調査は2021年2月24日~3月7日、同社のメールマガジン登録者らを対象にインターネットで実施。20代から70代の男女365人が回答した。

女性で増加「上司から見てもらえてない」

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縦軸は偏差値。性別で回答を分けると、女性でいくつかの項目が大きく低下していることが分かる。

提供:ピースマインド

アンケートではコロナ禍での働き方でどんな課題を感じているのかについて質問。同様の調査を2020年6月にも実施していることから、性別や年齢、家族構成による傾向や、コロナ直後の状況と、リモートワークが長期化している現状について、ストレスの変化を比較した。

アンケート結果を男女に分けると、男性に比べて、女性の方がストレスを感じている傾向があった。2020年6月に比べると、以下の項目が女性で大きく低下していた。

・「上司のサポート」(上司が個人的な相談を乗ってくれるかなど)

・「ほめてもらえる職場」

・「変化への対応」(仕事の変化に対して社員らの意見をきいているかなど)

・「ワークエンゲイジメント」(仕事に対してやる気や誇りがを感じるかなど)

調査では「テレワーク開始当初は、心理面のサポート面でも目が行き届いていたが、テレワークが長期化してコミュニケーションの問題が顕在化してきている。特に女性では、『上司から見てもらえていない』など心理的なサポートの不足を感じている割合が多かった」としている。

調査を行ったピースマインドの担当者はその理由について、「女性の方が課題を自分で解決しようとする傾向が強いことが影響しているのではないか」と話した。

若い世代、コロナ当初よりサポート手薄に

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2回目の調査では、特に20代がストレスを感じていることがわかる。

提供:ピースマインド

20代から60代の年代別でアンケート結果を比べると、若い世代の方がストレスを感じていた。

2020年6月と比べると、20代では特に、「職場で、できていることを認めてもらうことが減っている」、「新しいアイディアが求められることが減っている」と答えた割合が増えた。

また前回調査よりも、「仕事のコントロール」、「上司のサポート」、「ほめてもらえる職場」、「ワークエンゲイジメント」などの項目が悪化していた。

調査では、「リモートワーク開始当初は、若手社員に注意が払われていたが、業務上のサポ―トやフィードバックを得る機会が少なくなっている。若い世代の方が社内での人間関係が薄いことが多く、ベテラン社員よりも若い社員に対してアドバイスの機会が必要になっている」としている。

一人暮らし不安感じやすく

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項目ごとに「はい」と答えた人の割合。一人暮らしでは不安を抱えやすい傾向がある。

提供:ピースマインド

また「一人暮らし」「同居(子どもなし)」「同居(子どもあり)」に分けて結果を比較すると、一人暮らしの場合、以下の項目をあてはまると回答した人が多かった。

・「業務に集中できないことに不安を感じている」

・「相手が考えていることがくみ取りにくくなったことに不安を感じている」

・「仕事をするうえで自分は孤独だと不安を感じている」

・「自分の将来に不安を感じてる」

また一人暮らしの回答では、2020年6月調査に比べ、「仕事のストレスや問題を誰かに話すことが減っている」と答えた人が増えていた。

調査を行ったピースマインドでは、「女性や若手社員、一人暮らしの社員が心理的サポートが不足していると感じる傾向が強く、サポートが必要だ」と指摘する。

「企業としては、1on1やチームミーティングなど、少人数でのコミュニケーションの場を設けるなどの対策が求められている。また働く個人としては、自分の気持ちを吐き出せる場を持つことも大切になっているる」(同社担当者)

(文・横山耕太郎

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