新型コロナ危機と戦うインド、2つの州が「ムコール症」のエピデミックを宣言

病院

病院で治療を受ける新型コロナウイルスの患者(2021年4月29日、ニューデリー)。

REUTERS/Danish Siddiqui

  • インドでは、2つの州が病院内で感染が広がっている真菌感染症「ムコール症」を"エピデミック(流行)"と宣言した。
  • ムコール症は副鼻腔や脳、肺などに影響を及ぼし、命に関わることもある。
  • つまり、インドは今、新型コロナウイルスの死者数が急増する中でもう1つのエピデミックと戦っているということだ。

病院内でムコール症の感染が広がり続けるインドは今、命に関わる2つの病気と戦っている。

インドでは2つの州 —— 北西部のラジャスタン州と南部のテランガーナ州 —— がムコール症を"エピデミック"と宣言した。つまり、ムコール症の全ての感染例は記録され、政府に報告されなければならないということだ。

「ブラック・ファンガス(黒い真菌)」とも呼ばれるムコール症は、命に関わる感染症だ。その死亡率は約50%で、感染した組織は全て、手術で取り除く必要がある。その結果、鼻腔組織の一部を失う患者もいる。

ムコール症の感染例が増加しているということは、インドは今、2500万人以上の感染が確認されている新型コロナウイルス感染症(COVID-19)だけでなく、この真菌感染症とも戦わなければならないということだ。

ムコール症は、回復期あるいは回復後まもない新型コロナウイルスの感染者の間で増加していて、医師たちはステロイド —— インドでは新型コロナウイルスの重症患者の治療に効果的だと考えられている —— が身体の免疫系を抑制し、新型コロナウイルスの治療を受けた人々をムコール症にかかりやすくしているのではないかと見ている

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