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- Apple TV+の『The Me You Can't See』に出演したレディー・ガガは、自身が19歳の時に受けたレイプ被害について語った。
- ガガをレイプした音楽プロデューサーの男は、彼女を何カ月もスタジオに「閉じ込め」、彼女を妊娠させたという。
- 妊娠し「嘔吐している」彼女を、その男は彼女の実家の前に置いていったとガガは話した。
レディー・ガガは19歳の時、ある音楽プロデューサーにレイプされ、妊娠させられたことを明かした。
現在35歳のレディー・ガガは、5月20日(現地時間)にリリースされたApple TV+のドキュメンタリー『The Me You Can't See』の中で当時のことを振り返った。
レイプ被害にあってから数年後、身体に痛みがあったことから病院を受診した後、繰り返し起こる強い痛みが馴染みのある"無感覚"に変わったと、ガガは語った。
「これは、わたしをレイプした人間がわたしの両親の住む実家の前に、虐待され、嘔吐し、体調が悪かったわたしを置いていった時に感じたのと同じ痛みだと気付いたの」
「何カ月もわたしはスタジオに閉じ込められていたのよ」
ガガは、その音楽プロデューサーが彼女に服を脱がないと、彼女の音楽を「燃やす」と脅したとも話したが、公の場でこの人物を特定する考えはないと言った。
「あの人には二度と対面したくない」とガガは説明した。
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レイプ被害にあった後は「完全に精神が崩壊した」とガガは当時を振り返った。
「その後の数年間、わたしは"これまでの自分"ではなかった」
そして、痛みは続いた。ガガはここ数年の間に心的外傷後ストレス障害(PTSD) —— 彼女はこれがレイプ被害にあったせいだと話している —— と線維筋痛症だと診断されている。米疾病予防管理センター(CDC)によると、線維筋痛症は身体のあちこちに痛みが出るという。
「わたしが痛みを感じる時の感覚は、自分がレイプされた後の感覚なの。何度もMRI検査やCT検査を受けてきた。検査では何も見つからなくても、身体が覚えてる。何も感じられなかった。わたしはバラバラだった。脳がオフラインになってしまうような感覚。誰もパニックになっていないのに、どうして自分だけがものすごく神経過敏になっているのか分からないの」
ガガは、自身の心の健康を癒すプロセスを「ゆっくりとした進歩」と表現し、「怒りを感じたり」、自分の気分が落ち込んでしまう前に、着実に前へ進めるようになったと説明した。
自身の身体を労わったり、音楽を流したりといったセラピーのようなその方法を学ぶのに、ガガは2年半を要したが、それが"呪い"から抜け出すことにつながったと、ガガは言う。
「全てはゆっくりとした変化から始まるの」
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自身より20歳年上のプロデューサーにレイプされたことを、ガガは2014年の人気ラジオ番組『ハワード・スターン・ショー』のインタビューで初めて明かした。この経験が自身の2013年の楽曲『Swine』のインスピレーションになったとも話した。
レイプ被害にあったことを、ガガは何年も誰にも話さなかった。「それによって(自分を)定義」されたくなかったからだと、ガガは説明した。
「自分がこれまでやってきた全ての創造的な知的活動が全て、わたしにああいうことをした人間に結び付けられるなんて、絶対にイヤ。わたしの全ての痛みの責任はわたしが持つ。美しく見せながら、ね」とガガは語った。
「わたしはそうしてきた」
ガガは当時、このプロデューサーを特定したり、このプロデューサーに立ち向かう考えは全くないと話していた。ある時、店の中でこの人物を見かけた時には、「恐怖で身がすくんだ」と語っていた。
「 『ああ、あれは本当にひどかった』と思えたのは、自分がもう少しおとなになってからのこと」とガガは『ハワード・スターン・ショー』で振り返っていた。
(翻訳、編集:山口佳美)