「この危機を経験できたことを誇りと思うべき」。ジャック・マーが未曾有の危機で語った言葉

コロナ禍が経済に与える打撃の大きさは、しばしば過去の大恐慌、例えば「リーマン・ショック」と比較される。アメリカで発生したリーマン・ショックは、世界金融危機となり、世界の経済が地続きであることを改めて示した。

アリババ創業者のジャック・マー氏は 2008年12月6日、中国企業家雑誌社が主催した「2008年第7回中国企業リーダー年会」 に登壇し、金融危機を「災難」と比喩しながら、どう乗り越えていくか持論を述べた。

コロナの拡大から1年が経ちワクチンの接種も始まったが、経済は経験したことのない試練の中にいる。人々は未知の不安にどう対処するか。マー氏の当時のスピーチには、今の時代にもヒントとなる言葉が少なくない。その言葉を全訳でお届けする。


先ほど自分が政府職員であるように紹介されましたが、実際には私は起業家です。昨年の大会には、周其仁教授をはじめ多くの学者、専門家がいらっしゃいました。私は怖いものなしなので、多少耳障りなことを言うかもしれません。

世界各地を回り、今の経済情勢について自分なりに分析しました。私の考えは間違っているかもしれませんが、必ずしも全員の賛同を得る必要もないですし、皆さんが何か考える上でヒントになれば幸いです。

私は最近、世界のいろいろな場所で、災難が次から次にやってくるという話を聞きました。皆、茫然自失としています。今年の7、8月ごろには災難、危機と呼んでいい状況にあると感じました。今は状況がまた変化し、災難にどう対処すべきか分からない状態です。システムが再構築のさなかにあり、だから物事が劇的に変化しているのです。

もしこれまであまり心配しておらず、今になって心配しているなら遅すぎますが、2、3カ月前から心配しているなら、あなたはもう心配する必要はありません。今は行動のときです。あるいは何をすべきか考えるときです。今回の災難が2年後になくなるのか。あるいは3年後にまた訪れるのか、こういったことは考えなくてよいのです。

ジャック・マー

アリババグループは世界金融機危機の直前、2007年にNYに上場した。

REUTERS/Herbert Tsang (CHINA)

先ほど、外で昼ごはんを食べていたら、食堂の店主が「来年は景気は良くなっていますか」と聞いてきました。私は来年後半には大丈夫だろうと答えました。彼は来年後半ですか?って聞くから、「そうです。来年後半には(環境に)適応してますよ」って答えました。

優秀な企業家は、この環境にいち早く適応しなければなりません。この災難は今後2~3年、すべての人にダメージを与えます。早く適応すれば、機会が見つかります。企業を経営するなら最低でも5~10年単位でものを考えなければいけません。2、3年の災難は災難とは呼びません。あなたが5~10年スパンで考えたことがないなら、2、3年のダメージはなんの意義も持たないでしょう。

危機は「危険の中の機会」と書く

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