アマゾンは、『ロボコップ』をはじめとする数多くの名作映画の権利を保有している。
Orion Pictures / RoboCop screencap via Netflix
- アマゾンは2021年5月26日、MGMを84.5億ドルで買収すると発表した。
- 『007』シリーズや『ハンドメイズ・テイル/侍女の物語』など、MGMの映画とテレビ番組という膨大なコンテンツを手に入れることになる。
アマゾン(Amazon)は米映画製作大手MGM(メトロ・ゴールドウィン・メイヤー)の買収に84億5000万ドル(約9200億円)を投じる。MGMは、数十年の歴史を持つ映画スタジオで、世界的に有名な映画やテレビ番組の権利を保有している。
この買収を発表したプレスリリースの中で、アマゾンは「4000本以上の映画」と「1万7000本以上のテレビ番組」という「膨大なカタログ」をMGM買収の理由として挙げているが、これはアマゾンの動画配信サービス「アマゾン プライム ビデオ(Amazon Prime Video)」を強化するためのものであることは間違いない。
では、約85億ドルでアマゾンは何を手に入れたのだろうか。
「007」シリーズの歴代ジェームズ・ボンド。
MGM/UA Distribution Co/United International Pictures
『12人の怒れる男』、『羊たちの沈黙』、『テルマ&ルイーズ』、『真夜中のカウボーイ』、『屋根の上のバイオリン弾き』、『ダンス・ウィズ・ウルブズ』、『レイジング・ブル』などの名作映画に加え、数十年に渡って製作されてきた『007』シリーズなどが、今回アマゾンが購入した「4000本以上」の映画の中に含まれている。また、『ロッキー』シリーズや、そのスピンオフ作品『クリード チャンプを継ぐ男』なども手に入れる。そして、これは映画だけの話だ。
テレビ番組も『Fargo/ファーゴ』や 『ハンドメイズ・テイル/侍女の物語』、『ヴァイキング〜海の覇者たち〜』といった最近の名作を手にすることになる。
アマゾンが特に挙げている作品以外にも、MGMスタジオの親会社のMGMホールディングス(MGM Holdings)に属する作品は無数にあるが、それぞれの映画やテレビ番組の権利を傘下のどの会社が所有しているのかは完全には明らかになっていない。
例えば、MGMホールディングスの傘下にはMGMテレビジョン(MGM Television)があり、その所有タイトルには、人気リアリティ番組『リアルハウスワイフ』シリーズなどが含まれている。MGMの担当者は、『リアルハウスワイフ』のほかにも『ザ・ヴォイス』、『シャークタンク』、『サバイバー』などの番組も、今回の契約の一部であることを確認している。
一方で、今回の契約には、ターナー・エンターテインメント(Turner Entertainment)が管理している1986年以前の膨大な数のMGM作品が含まれていないことは確かだ。
アマゾンのプレスリリースでは、これら以外にも、『氷の微笑』、『キューティ・ブロンド』、『月の輝く夜に』、『ポルターガイスト』、『スターゲイト』、『トゥームレイダー』、『マグニフィセント・セブン』、『ピンクパンサー』、『トーマス・クラウン・アフェアー』などの映画の権利が含まれているとしている。
アマゾンとMGMの担当者は、今回買収した映画およびテレビ番組の完全なリストを示すことができなかった。
[原文:https://www.businessinsider.com/what-amazon-gets-mgm-deal-james-bond-tv-shows-movies-2021]
(翻訳:大場真由子、編集:Toshihiko Inoue)