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余ったワクチン、どうするんですか?【東京23区一斉調査:6月11日更新】

ワクチン

ワクチン

REUTERS/Dado Ruvic/Illustration/File Photo

日本でも本格化し始めた、ワクチンの接種。

5月26日の段階で、全国での接種回数は累計1000万回を超えている

菅義偉首相が目指す、「1日100万回接種」にはまだ到達していないものの、医療従事医者への接種が始まった2月と比較すると、そのペースははるかに加速している。あとはこれを積み上げていくだけだ。

高齢者に向けた接種が開始される中、たびたび問題となっているのが「余ったワクチン」の取り扱いだ。

ワクチン接種の予約をしていたとしても、当日に何らかの理由で接種を見送らざるを得ない人は一定数出てしまうものだ。これまでには、余ったワクチンを「廃棄」してしまう事例もあった。

厚生労働省は、2021年3月12日公開した「新型コロナウイルス感染症に係る予防接種の実施に関する手引き(第2.1版)」(現在は2.2版に改定)において、余剰ワクチンの取り扱いについて以下のように自治体に案内している。

「新型コロナワクチンの接種予約がキャンセルされた等の理由で余剰となったワクチンについては、可能な限り無駄なく接種を行っていただく必要があることから、別の者に対して接種することができるような方法について、各自治体において検討を行う。


例えば、市町村のコールセンターや医療機関で予約を受ける際に、予約日以外で来訪可能な日にちをあらかじめ聴取しておき、キャンセルが出たタイミングで、電話等で来訪を呼びかける等の対応が考えられる。なお、キャンセルの生じた枠で接種を受けられるのは、接種券の送付を受けた対象者とする。それでもなお、ワクチンの余剰が生じる場合には、自治体において検討いただきたい」(原文ママ)

国からは、高齢者や基礎疾患のあるリスクの高い人を優先的に接種するよう指摘されているが、今目指すべきはできる限り多くの人にワクチンを接種していくことだ。

河野太郎ワクチン担当相も、柔軟なワクチンの運用を呼びかけており、5月25日には、厚生労働省から各自治体に対して、あらためて余剰ワクチンの取り扱いに関する通知が出された。

ワクチンを無駄にしないために、各自治体ではそれぞれルールを定めるなど、工夫を凝らす動きも見えてきている

Business Insider Japanでは、5月21日に東京23区を対象に余剰ワクチンの取り扱いについて一斉アンケートを実施。以下、5月27日午後4時30分の段階までに回答のあった13区の対応について、回答到着順に記載する。なお、自治体から回答があり次第、順次情報を追加していく。

質問項目

  1. 余ったワクチンの対処についてマニュアルはありますか。
  2. ある場合は具体的な対応について教えてください(例:未接種の医療従事者を優先、教職員に対して年齢を問うことなく接種、コロナ対策に従事する市区町村の職員、保育従事者、上記優先配分対象者にすぐに接種できない場合近隣企業・住民などに声がけを推奨など)
  3. ない場合は作成する予定はありますか。ある場合はいつごろ公表予定でしょうか。
  4. 自治体として予定がない場合は、接種場所となる医療機関や集団接種の会場ごとに独自の判断を任せるということでしょうか。

通知

5月25日に、厚生労働省からあらためて余剰ワクチンを有効活用するよう通知があった。

撮影:三ツ村崇志

江戸川区

余ったものは医療従事者に接種していく。医療従事者が終わったあとのことについては現状回答していない。(口頭で回答)

練馬区

1.マニュアル:有り

マニュアルはある。「練馬区モデル」としてすでに公開している。(資料:P.12参照)

2.具体的な対応

当日キャンセルに備え、下記の方法等により、廃棄されるワクチンの発生を抑制。

  • 接種の待機者(早急な接種を希望する者、翌日以降の予約者)に連絡し、接種する。
  • 優先接種区分に関わらず、付き添いで希望する方などに接種する。
  • 会場にいる従事者に接種する。

3.マニュアルの作成・公開予定

令和3年1月29日(4月19日改訂)に新型コロナウイルスワクチン接種体制「練馬区モデル」の中で公表済み。

4.医療機関への指示

同上。

葛飾区

1.マニュアル:無し

マニュアルの作成は現在行っていないが、ワクチンに余剰が出た場合の対応は検討している。

2.具体的な対応

未接種の医療従事者を優先。

3.マニュアルの作成・公開予定

マニュアルの作成については、未定。

4.医療機関への指示

各医療機関に対しては、ワクチンの余剰が生じないよう予約受付を工夫する等、事前に周知を行い、対応を依頼している。

中央区

1.マニュアル:無し

2.具体的な対応

なし

3.マニュアルの作成・公開予定

なし

4.医療機関への指示

高齢者施設の従事職員や保健所のワクチンを担当する保健師に接種。

杉並区

1.マニュアル:無し

2.具体的な対応

なし

3.マニュアルの作成・公開予定

なし

4.医療機関への指示

状況を確認しながら、ワクチンをまとめて希釈をしない等、余らないように努めているがそれでも余った場合については、未接種の医療従事者等に接種をするよう、保健所で調整している。

中野区

1.マニュアル:有り

2.具体的な対応

  • 予約数やキャンセル等を見据えて、バイアル単位での解凍・希釈を行う。
  • バイアル単位の端数が出た場合は、未接種の医療従事者等(コロナ対策に従事する職員等)に接種する。

3.マニュアルの作成・公開予定

未回答

4.医療機関への指示

未回答

豊島区

1.マニュアル:一部有り

医療機関:マニュアルなし

集団接種・巡回接種:運用マニュアルを作成中

2.具体的な対応

集団接種・巡回接種について運用マニュアルを作成中。

3.マニュアルの作成・公開予定

医療機関:なし

集団接種・巡回接種:作成中。6月下旬を予定。

4.医療機関への指示

医療機関:余っているワクチンについて、医療機関には、原則、クーポン券を持っている方を優先的に接種してくださいと周知をしている。

目黒区

1.マニュアル:無し

2.具体的な対応

ありません。

3.マニュアルの作成・公開予定

ありません。

4.医療機関への指示

国が現在、接種券を持っていない者への残ワクチン接種の事務処理について示した後に、対応方針を決定します。

墨田区

1.マニュアル:有り

ワクチン接種会場の運営マニュアルとして作成している。

※厚生労働省の指針のとおり作成している。

2.具体的な対応

厚生労働省の指針のとおり。

3.マニュアルの作成・公開予定

会場の運営マニュアルのため、公表はしません。

4.医療機関への指示

未回答

※編集部補足

厚生労働省の「新型コロナウイルス感染症に係る予防接種の実施に関する手引き(第2.2版)」によると、接種は医療従事者、高齢者(令和3年度中に65歳以上に達する方)、基礎疾患を有 する者、高齢者施設等の従事者、60~64 歳の者の順番に優先される。

台東区

1.マニュアル:無し

マニュアルの作成には至っていないが、対処方法を下記のとおりとした。

2.具体的な対応

  • 病院・診療所においての対応(各医療機関が運営主体)

次に示すとおり、接種を行う。

1.接種券が発行されている区民

区内に住民登録のある65歳以上のかかりつけ患者・入院患者・医療機関関係者等

2.接種券を有し住所地外接種が認められている方

区外に住民登録のある区内病院の入院患者等

※なお、活用方法は各病院・診療所の事情に合わせて各施設で判断する。

  • 集団接種会場においての対応(区が運営主体)

接種時間が夜間になること等を踏まえ、次の接種希望者を対象にキャンセル待ち名簿を作成し、余剰ワクチンが生じた場合に活用する。

〇医療従事者

〇高齢者施設等従事者

〇保育園保育士・幼稚園教諭・小中学校教職員等

  • 例外としての接種券の発行されていない方への活用

病院、診療所、集団接種会場において、余剰ワクチンが生じた際に、接種券が発行されている方の確保が難しい場合には、次の条件等により、接種券が発行されていない区民への接種を特例として行う。

〇身分証明書で本人確認ができること

〇区内に住民登録のある64歳以下の方(かかりつけ患者・入院患者・付き添い者等)

3.マニュアルの作成・公開予定

マニュアルは無く、HPなどへの掲載も予定していない。詳細については公表済み(説明:動画21分20秒以降、質疑:41分30秒以降)。

4.医療機関への指示

2.の回答に含む。

北区

1.マニュアル:無し

2.具体的な対応

なし

3.マニュアルの作成・公開予定

公表時期も含めて検討中。

4.医療機関への指示

未回答

港区

1.マニュアル:未回答

5月24日のプレスリリースにて対応を公開

2.具体的な対応

区の集団接種会場でワクチンの余りが発生した場合には、その時点での連絡で接種会場に来場できる人を予め登録し、区からの連絡により接種する。「余りワクチン」接種対象は以下の通り。

  • 港区医師会等区内の医療従事者
  • 会場に配置されている医療従事者及び会場運営に携わるスタッフ
  • 区内高齢者施設の職員(区立特養、私立特養等)
  • 港区立障害保健福祉センター職員
  • 区立保育園及び児童館の職員

3.マニュアルの作成・公開予定

未回答

4.医療機関への指示

未回答

文京区

1.マニュアル:有り

2.具体的な対応

接種会場において余剰ワクチンが発生した場合は、第一段階として、国が設定する接種優先者(医療従事者や65歳以上の入院患者等)への接種をお願いし、接種者が見つからない場合に、第二段階として下記のワクチンロス対策者への接種をお願いしています。(対策者に順位はありません。)

〇新型コロナウイルス感染症対策業務において、新型コロナウイルス感染症患者に頻繁に接する業務を行う者とその可能性のある者※

※可能性のある者とは・・・兼務発令や流動によって保健所の感染症対策業務に従事することがあきらかとなった職員

〇予防接種業務に従事する者あって、接種会場において、予診や接種等の業務の補助を直接行う者

〇ワクチンの流通用の単位から施設入所者等と同じタイミングで接種を受けることが効率的な高齢者施設の従事者

〇65歳以上の民生・児童委員

3.マニュアルの作成・公開予定

近日中にHPに掲出予定

4.医療機関への指示

2の回答に含む。

足立区

1.マニュアル:無し

マニュアルはないが、具体的な対応については2.のとおり決めている。

2.具体的な対応

ワクチン接種会場に従事している委託事業者(未接種の医療従事者)に接種する。

3.マニュアルの作成・公開予定

上記2.のとおり運用を決めているため、現時点においてはマニュアルを作成する予定はない。

4.医療機関への指示

会場ごとに独自の判断はしておらず、集団接種の委託事業者に上記2.の運用を伝えている。

大田区

1.マニュアル:未回答

2.具体的な対応

希釈後のワクチン廃棄を無くすため、集団接種会場での予約キャンセル待ち等の申し込みを受け付けております。

・ 1週間分の予約キャンセル待ちの申し込みを受け付けます。

・申込方法

① 区ホームページから 電子申請 (パソコン、 スマートフォン)

② キャンセル 待ち申込専用 コールセンター

・原則、毎週月曜日の午前9時から受け付け、先着300名の枠が無くなり次第受け付け終了となります。

※状況に応じて申込枠数は変更します。

・キャンセル待ち申込みリストの有効期間は原則毎週火曜日から翌月曜日までの1週間

・接種日当日午後3時から午後5時の時間に、当日のキャンセル数やワクチン廃棄を勘案して、キャンセル待ち申込者リストの上位者から、各会場最大10名の方に電話します。

・午後4時30分頃から午後7時頃までの指定された時間までに接種会場へ入室をお願いします。

3.マニュアルの作成・公開予定

未回答

4.医療機関への指示

未回答

世田谷区

1.マニュアル:無し

マニュアルはないが、運用の方針はある。

2.具体的な対応

集団接種会場での余剰ワクチンについては、接種会場の従事者等(医療従事者、区職員、受託事業者の職員、接種者に付き添いで来場した区民)や、保育園、幼稚園、小中学校に従事する教職員、その他コロナ対策に関わる職員を対象に接種を行う。

3.マニュアルの作成・公開予定

未定

4.医療機関への指示

運用方針の中で対応する。

板橋区

1.マニュアル:有り

2.具体的な対応

区コールセンターにて、区集団接種会場ごとのキャンセル待ちを受け付け、名簿を作成し、キャンセルが確定した時点で接種会場から対象者に連絡します。受付は月単位・会場単位で実施し、接種券の送付済みの方のみ申込可能としています。

なお、今後区集団接種会場以外にも近隣の医療機関のキャンセル分についても、同じ名簿にて対応することも想定しています。

3.マニュアルの作成・公開予定

キャンセル待ちの詳細はこちらを参照。

4.医療機関への指示

回答不要

渋谷区

1.マニュアル:有り

マニュアルとは異なるが、集団接種会場、サテライト型医療機関へ取扱いについてお知らせしています。

2.具体的な対応

サテライト型医療機関へは接種の優先順位を示しています。

第1順位 当日予約をしていない高齢者

第2順位 医療従事者

集団接種会場は、事前にキャンセル待ちの登録を行った人に、キャンセルがあった場合に順番に連絡しています。

3.マニュアルの作成・公開予定

未定

4.医療機関への指示

集団接種会場についてはキャンセル待ちの登録を行っており、キャンセルがあった場合、連絡してます。

品川区

1.マニュアル:未回答

2.具体的な対応

キャンセルなどで余ったワクチンを接種する対象者と優先順位は以下のとおり。区内在住者に限られる。

  1. 介護従事者
  2. 保育士、幼稚園教諭
  3. 保健所職員
  4. 区立学校教職員

3.マニュアルの作成・公開予定

6月2日に方針を公表

4.医療機関への指示

未回答

江東区

1.マニュアル:有り

2.具体的な対応

当日キャンセルや、予診でワクチン接種を見合わせた場合等により、希釈したワクチンに余剰が

生じた場合は、当面、以下の順位により接種する。

[集団接種会場]

①種会場の医療従事者

②付き添い等接種会場内にいる高齢者

③会場近隣の小中学校等勤務の者

[個別接種会場]

②接種会場の医療従事者 ②付き添い等接種会場内にいる高齢者

③未予約のかかりつけ患者(高齢者)

④翌日以降の接種予定者

⑤会場近隣の小中学校等勤務の者

⑥基礎疾患のある、または60歳から64歳までのかかりつけ患者

⑦その他、院長の判断により接種を認めた者

3.マニュアルの作成・公開予定

上記の方針は、区HPで公表している。

4.医療機関への指示

区HPへの掲載に加え、各医療機関に方針を文書で通知済。


以下、回答待ち自治体。(回答があり次第、順次反映予定)

・荒川区

・新宿区

・千代田区

なお、自衛隊管轄の東京大規模接種センターでの取り扱いについても、5月27日に防衛省に質問状を送付しており、回答があり次第更新する予定。

編集部より:足立区の情報を追記しました。2021年5月27日 18:20

編集部より:台東区の情報を更新しました。大田区の情報を追記しました。2021年5月28日 10:00

編集部より:世田谷区の情報を更新しました。2021年5月31日 15:35

編集部より:板橋区の情報を更新しました。2021年6月3日 15:35

編集部より:渋谷区の情報を更新しました。2021年6月4日 9:10

編集部より:品川区の情報を更新しました。2021年6月5日 13:30

編集部より:江東区の情報を更新しました。2021年6月11日 18:05

(取材・文 三ツ村崇志、取材・吉川慧、梶原拓朗、柳瀬綺乃 )

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