企業は請負や臨時の労働者を増やしたいけれど… 労働者は「圧倒的に正規雇用を希望している」 —— 最新調査

デモ

抗議デモに参加するライドシェアのドライバーたち(2020年11月、カリフォルニア州)。

Al Seib /Los Angeles Times/Getty Images

  • マッキンゼーとイプソスの最新調査によると、請負労働者たちは「圧倒的に」正社員になりたいと考えている。
  • しかし、企業の幹部らは、今後さらに請負労働者に依存する考えであることが、マッキンゼーの別の調査で分かっている。
  • 調査結果は、労働者の希望と雇い主の希望との間に大きな相違があることを示している。

5月26日(現地時間)に公表されたマッキンゼーとイプソスの調査によると、アメリカ人の約25%がギグエコノミーで主に仕事をしていて、こうした労働者のうち62%がギグエコノミーではもう仕事をしたくないと考えている。

「ギグワーカーたちは圧倒的に正規雇用を希望している」ことがこの調査で分かった。

こうした"希望"は、ギグワーカーの大多数を占める移民や有色人種の労働者の間で特に強い。

ヒスパニックやラテン系のギグワーカーの72%、アジア系アメリカ人のギグワーカーの71%、黒人のギグワーカーの68%が正社員または非請負労働者になりたいと答えていて、その割合は移民1世で76%、移民2世で73%だった。

マッキンゼーとイプソスのこの調査は2021年春、2万5000人のアメリカ人を対象に実施され、調査対象者の27%が自らの現在の本業を請負、フリーランス、臨時の仕事のいずれかだと答えた。

こうした労働者たちの、正社員というステータスに付随する安定、福利厚生、法的保護に対する"明確な希望"は、強い抵抗にあう可能性もある —— 彼らの雇い主、だ。

マッキンゼーの2020年9月の調査によると、世界全体で企業の幹部の70% —— その大半はアメリカの大企業 —— が今後さらに請負労働者や臨時労働者に依存を強めていくつもりだと答えている。

アメリカの経済界は、ギグワークが提供しているという"柔軟性"を労働者が希望しているなどとして、請負労働者を"従業員"とすることに強く反対してきた。ところが、マッキンゼーの最新調査は、企業の幹部ら —— 彼らはしばしば自らの会社が資金を出した調査結果を引用する —— が労働者のニーズや希望を理解していない可能性を示している。

ウーバー(Uber)やリフト(Lyft)、ドアダッシュ(DoorDash)、グラブハブ(Grubhub)、アマゾン、フェイスブック、グーグルといった企業は、ギグワークを前提としたビジネスモデルをアメリカの消費者に広める上で大きな役割を果たしてきたが、労働法を回避し、コストを最小限に抑えるために請負労働者を利用してきたのはこうした企業だけではない。

マッキンゼーによると、宿泊施設、飲食サービス、医療、社会扶助といったセクターの幹部らは特に、請負労働者への依存をより強めたいと考えている。

Insiderでも以前報じたように、新型コロナウイルスのパンデミック(世界的な大流行)は、テック業界がいかにして、請負労働にを使ってアメリカの労働者を裏切りながら、自らの帝国建設を追求してきたかを明らかにした。労働者たちは突然、自分たちに健康保険や傷病手当、労働災害補償といった、正社員に保証された福利厚生がないことに気付いた。

このビジネスモデルは、納税者にも大きな打撃を与えている。納税者は何十億ドルと稼いでいる企業 —— 記録的な利益を上げているにもかかわらず、自らが抱える労働者たちのためのお金をほとんど払っていない —— によってレイオフされた請負労働者への失業給付を払っている。納税者は収入がなくなった約2万7000人のウーバーやリフトのドライバーのために、8000万ドル(約88億円)を支援金として渡している。

州議会議員や連邦議会議員らは、請負労働者の給料や労働条件、法的保護を向上させるべく検討を進めているが、専門家はより幅広い労働法の改革が必要だと指摘している。

[原文:Most executives say they want more contract and temp workers. A majority of those workers say that's not good enough.

(翻訳、編集:山口佳美)

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