開発者会議で発言するグーグルのサンダー・ピチャイCEO。
REUTERS/Stephen Lam
- グーグルの元女性社員4人による男女平等の訴えが、集団訴訟(クラスアクション)として認められた。
- 原告は、グーグルが女性社員に支払う年間の給与は、同じ仕事をする男性社員よりも1万7000ドル近く少ないと主張している。
- 4人は、同様の主張をしている1万800名の女性を代表することになる。
ブルームバーグ(Bloomberg)が報じたところによると、2021年5月27日、サンフランシスコ州判事が、グーグル(Google)の同じ仕事に対する男女間の賃金格差をめぐる訴訟を集団訴訟(クラスアクション)として行うことを認めた。
この訴訟は、もともと2017年にグーグルの元女性社員4人が起こしたものだ。その中で女性たちは「グーグルが実質的に同様の業務を行っている男性社員に支払う報酬よりも、女性社員に支払う報酬が少ない」ので、グーグルはカリフォルニア州の同一賃金法に違反していると主張していた。
ブルームバーグが以前に報じた開示資料によると、この訴訟は6億ドル(約658億円)以上の損害賠償を求めている。
2020年7月に提出された裁判資料によると、この女性たちは、グーグルが雇用している約1万800名の女性を代表し、同社が同じ仕事をしている男性により多くの報酬を支払っていると主張している。この資料によると、グーグルが女性従業員に支払っている金額は、「同様の状況にある男性 」よりも年間で約1万6794ドル(約184万円)少なかったという。
「グーグルは同じ職種、同じ勤務地の男性に比べて、女性に支払う基本給が少なく、ボーナスも少なく、株式も少ない」とその資料には書かれている。
グーグルの広報担当者は、「我々は、当社の方針や、従来やってきたことが公平であることを強く信じている。過去8年間、給与、ボーナス、株式報酬が公平である確認をするために、厳格に給与の公平性の分析を実施している。提示した給与に男女差などがあることが判明した場合は、新しい報酬が有効になる前に、その差を取り除くための上方修正を行っている。2020年だけでも、社員2352人に対して総額440万ドル(約4億8300万円)の上方修正をした。また、役割分担や業績評価の公平性を確保するためにも厳格な分析を行っている」とInsiderに語った。
女性たちの代理人を務める弁護士のケリー・ダーモディー(Kelly Dermody)は、ブルームバークに宛てたEメールの中で「次のステップは、2022年から始まる可能性のある本件の裁判に向けて取り組むことだ」と述べた。
ダーモディーは「グーグルやテクノロジー業界で働く女性にとって重要な日になった。勇敢なクライアントが道を切り拓いたことを誇りに思う」と述べている。
「企業が訴訟にお金をかけるよりも、女性に公平な報酬を支払うことを優先することが重要であることを示している」
(翻訳:大場真由子、編集:Toshihiko Inoue)