AP Photo/Tom Sampson
- アメリカでは、トラック運転手の給料が上がっているが、ドライバー不足の解消には至っていない。
- 運送会社ロール・トランスポート(Roehl Transport)で働くあるトラック運転手は、年収がここ2、3年に比べて3万ドル(約330万円)増えたとCNNに語った。
- 収入アップを受け、ドライバーたちはトラックを運転する時間を減らし、家で過ごす時間を増やしていると、この男性運転手は話している。
トラックを運転するドライバー不足が深刻なアメリカでは、運転手の給料が急激に上がっている。ただ、人手不足を解消するには不十分だ。
新型コロナウイルスのパンデミック(世界的な大流行)によって、人々は外出を控えるようになり、オンラインショッピングが急増した。これはつまり、企業がより多くのドライバーを必要とし、人材を確保するために給料を上げたということだと、CNNは報じた。
CNNによると、多くのドライバーがより良い給料を求めて、トラック運送会社の間を渡り歩いているという。
ロール・トランスポートのドライバー、ダニエル・ウォルトンさん(47)は、ここ数年は4万ドルほどだった自身の年収が2021年は7万ドルほどに増えたとCNNに語った。
「数字を聞くと、別の会社に行きたくなるね」
収入アップを受け、ドライバーたちはトラックを運転する時間を減らし、家で過ごす時間を増やしていると、ウォルトンさんは言う。ウォルトンさんは5週間のうち4週間を運転し、新しいドライバーの訓練も手伝っている。
ただ、ドライバーの中には、ストレスやホームシックのせいで、入社してすぐに辞めてしまう人もいるという。
ロール・トランスポートは4月、今年2度目となるドライバーの賃上げを発表した。これにより、ドライバーの給料は4000~6000ドルほど上がるという。
「競争に勝つためには、これくらいの賃金の増額をオファーしなければなりません」と同社のドライバー雇用担当のバイスプレジデント、ティム・ノーリン(Tim Norlin)氏はCNNに語った。
運送会社C.R. Englandも4月に会社史上最大となるドライバーの賃上げを発表した。ここ3年で3度目の賃上げで、2018年に比べると50%以上給料が上がるという。
ドライバー不足とeコマースの急増によって、輸送料も高くなっている。小売業者は商品をトラックで動かすのに、2019年より約30%多く払っていると、Insiderでも2020年9月に報じた。
「料金を上げることが必要不可欠だと、わたしたちの顧客はよく理解してくれています」とノーリン氏はCNNに語った。
「ドライバーを500~1000人増やせるでしょう。彼らが忙しく働き続けられるだけの仕事のオファーをわたしたちは顧客から受けています」
(翻訳、編集:山口佳美)