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ファイナンス専門家が選ぶ「決算資料が素晴らしい企業」ベスト3 【音声付・入山章栄】

今週も、早稲田大学ビジネススクールの入山章栄先生が経営理論を思考の軸にしてイシューを語ります。参考にするのは先生の著書『世界標準の経営理論』。ただし、本連載はこの本がなくても平易に読み通せます。

前回に引き続き、Business Insider Japanで「会計とファイナンスで読むニュース」を連載中の村上茂久さんとの対談をお届けします。社外取締役として経営会議に出席する機会も多い入山先生は、企業の業績レポートを聞いていて常々疑問に思うことが2つあるのだとか。それはいったい……?

【音声版の試聴はこちら】(再生時間:7分02秒)※クリックすると音声が流れます


なぜ企業は「昨対」の議論に終始するのか

入山章栄(以下、入山):前回から引き続き、今回もファイナンスの専門家である村上茂久さんをお迎えして、僕の質問に答えていただきます。

さっそくですが村上さん、質問をしていいですか? これは僕がさまざまな企業の役員会とかで、不満というか個人的に違和感を持っていることなんです。僕が間違っている可能性もあるので、村上さんの意見をお聞きしたかった。それは何かというと、けっこういろんな会社が自社の業績を報告する時に「昨対(昨年度対比)」(=1年前の状況と比較すること)の議論しかほとんどしないことなんですよね。

村上茂久(以下、村上):なるほど。

入山:例えば、役員会で四半期の決算の結果が出てきて今期は好調でした、不調でしたという時に、「昨年度対比で何パーセント増えました」とか、予算に対して「達成しました・しませんでした」という議論に終始することが多い。多くは、P/L(損益計算書)ベースですね。

もちろん僕は、1年前と比較する昨対はすごく重要だと思います。ただ、会社はべつに1年単位で事業をしているわけじゃない。本当はもっと長期を含めて見るべきじゃないかと思うんですよ。少なくとも、長期の推移の数字を見せて、長期の傾向を見ることがもっとあってもいいのではないかと。

大手の会社も、売上高でも利益率でも、10年くらいの長期で数字を見る議論が意外なほど少ないなと思っています。

例えば、ある企業の第1四半期の売上高が昨年の第1四半期の対比で5%伸びたとする。でもそれだけだとその5%がいい数字なのか、悪い数字なのか分からないですよね。それまで10年で平均1〜2%の成長率の企業ならいい数字だけど、10%平均で成長してきた企業なら5%は低い。これは当たり前のことだけど、でも業績報告でそのような数字をあまり示さない。

結果、5%という数字を昨年対比で見ても、それは会社がうまくいっていることなのか、いないとしたら、それが構造的な原因なのか、それとも短期的なマーケットの問題なのか……等が分からない。

それらを理解するためにも、もっと売上高や利益率、キャッシュフローその他のさまざまな財務KPIを長期の趨勢で示して、役員会で議論すべきじゃないかと思っているのです。もちろんそうやっている企業もあるかもしれないけど、そういう数字の見せ方を定常的にやっている大手企業はあまり多くない印象です。

村上:いまのお話はすごく面白いですね。私は会計というのは、あくまで過去の話で、未来のために使うものだと思っています。

以前、アマゾンのジェフ・ベゾスのインタビューを読んでいて、印象的だった発言があります。記者がベゾスに「足元の四半期決算が好調ですね」と言うと、ベゾスは次のように考えているとのことです。

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