世界最大のハリー・ポッターの店に行ってみた。
Erin Ajello for Insider
世界最大の『ハリー・ポッター』の店が今週、ニューヨークにオープンした。この魔法の店は、グッズを買うだけの場所ではない。
新型コロナウイルスのパンデミックでオープンが延期されていた3フロアからなるこの店は、6月3日(現地時間)にオープンしたばかりだ。
筆者はグランドオープン前に店を訪れるチャンスを得た。それはまるで、店と記念館と魔法ワールドそのものを組み合わせた場所に足を踏み入れるかのようだった。
巨大な魔法の店をのぞいてみよう。
店に入るとすぐに、なじみのキャラクターが迎えてくれた
天井には不死鳥フォークスの姿が。
Erin Ajello for Insider
店に入って最初に目に入ったのは、シャツやマグカップ、帽子でいっぱいのテーブルの上に吊るされたダンブルドア校長の不死鳥フォークスの姿だった。
店員は「ハリー・ポッター・ニューヨーク」と金色で書かれた黒のマスクを着用していて、店内のそれぞれのコーナーについて簡単に説明してくれた。
ちなみに、彼らが着用していたマスクは店の限定商品の1つとして購入することができる。
店の奥へと進んでみた。
ホグワーツ4つの寮のコーナーへ
Erin Ajello for Insider
すぐ隣のコーナーはホグワーツの4つの寮 —— グリフィンドール、スリザリン、レイブンクロー、ハッフルパフ —— ごとのアイテムが充実していた。
スリザリンはドラコ・マルフォイ、ハッフルパフはニュート・スキャマンダーと、それぞれ寮を代表する学生の写真も掲げられている。
Erin Ajello for Insider
天井にはクィディッチの選手たちのシルエットが描かれ、床には青と金のデザインが施されている。
店のアプリをダウンロードしていたので、双方向ゲームもプレイできた
Erin Ajello for Insider
いくつかのコーナーを見て回るうちに、店のアプリを使って「魔法の鍵」を見つけられることが分かった。
店内のあちこちに、実際に映画で使用された小道具が展示されていて、その1つ1つに羽の付いた鍵のマークがある。
ファンクラブのアプリをダウンロードしてこれらのマークをスキャンすると、こうした小道具に関する更なる情報が入手でき、秘密の手紙が読める。
実際に映画で使われた小道具が。
Erin Ajello for Insider
9通の手紙を集め、"秘密の言葉"を手に入れると、レジで秘密の賞品がもらえる。
店がゲームの一部になっていることに感心した。わたしも早速、アプリをダウンロードした。
Erin Ajello for Insider
残念ながら、わたしは"秘密の言葉"を入手するのに必要なだけの小道具をスキャンできなかったが、アプリを使って手に入れられるそれぞれの展示物に関する追加情報を楽しんだ。
店内を歩き回って、『ハリー・ポッターと炎のゴブレット』に出てくるゴールデン・エッグやニワトコの杖など、実際の映画の小道具が展示されているのを見つけるのは最高だ。
杖のコーナーは、まるでオリバンダーの店に足を踏み入れたかのようだった
Erin Ajello for Insider
次にのぞいたのは、杖のコーナーだ。床から天井まで、杖の箱でいっぱいだった。
まるでダイアゴン横丁のオリバンダーの店に瞬間移動したかのようだ。
各メインキャラクターの杖や、ホグワーツをテーマにした限定の杖(14種類ある)を購入することもできる。
ニューヨーク店限定の「金のスニッチ」と呼ばれる杖や、ダンブルドア軍団の杖コレクションも販売されている。
杖のコーナーには、客が球体の前に立ち、『ハリー・ポッター』の人気キャラクターの杖と決闘が体験できる場所もある。
店の真ん中には巨大ならせん階段が
Erin Ajello for Insider
杖のコーナーを後にすると、店の真ん中にあるらせん階段が見えてきた。
石柱の上には巨大なグリフィンがいる。映画で見たダンブルドアの部屋の入口に似ている。
ここまで来るのに約20分。まだほんの一部しか見ていない。わたしはワクワクしながら階段を下りた。
ハードカバーの本が大量に「飛んでいる」本のコーナーへ
Erin Ajello for Insider
階段を下っていくと、すぐに本のコーナーが目に飛び込んできた。
れんがの壁と本でできたアーチは、まるでロンドンの小さな書店のようだ。
れんがはロンドンのキングス・クロス駅のものとマッチするようデザインされたのだと、店員が教えてくれた。
Erin Ajello for Insider
頭上には『ハリー・ポッター』の本が飛んでいる。れんがの壁には本の挿絵が、周辺には『ハリー・ポッター』からのさまざまな引用文も書かれている。
トム・リドルの日記。
Erin Ajello for Insider
バジリスクの牙が刺さったトム・リドルの日記の小道具もこのコーナーに展示されていた。
『ハリー・ポッター』ファンにとっては夢のような図書館だろう。わたしもまた読み返したくなった。
闇の魔術のコーナーではナギニが待っていた
Erin Ajello for Insider
闇の魔術のコーナーには、天井から巨大なナギニが吊るされている。
ナギニはシューシューという音を発し、パーセルタング(蛇語)で客に話しかけるのだと、店員が教えてくれた(ただ、わたしがいた時は何の音もしなかった)。
ナギニの他にも、映画で使われたデス・イーター(死喰い人)の仮面やマールヴォロ・ゴーントの指輪、死の秘宝のマークが入った鏡など、見るべきものがたくさんある。
魔法ワールドの一員になった気分を味わえるさまざまな商品もある
Erin Ajello for Insider
闇の魔術のコーナーの隣にあったのが、「Things That Must Be Named」というカスタマイズのコーナーだ。
魔法使いのローブやクィディッチのユニフォーム、ホグワーツのトランクが用意されていて、その全てに購入者の名前を入れることができる。
一部の杖は、ここで名前を彫ることも可能だ。
Erin Ajello for Insider
フクロウが運んでくれるホグワーツからの手紙を今でも待っているファンは、ここで手書きの手紙を購入することもできる。
お菓子やそれぞれの寮のグッズ、ホグワーツからの手紙などが入った、大きなトランクのギフトセットも手に入る。
アクセサリー売り場もオススメ
Erin Ajello for Insider
手頃な価格のものから高価なものまで、アクセサリーも充実している。
逆転時計のように見えるネックレスも。
Erin Ajello for Insider
金のスニッチや死の秘宝をあしらったネックレスやイアリングもある。逆転時計のように見えるものも売られている。
ルーナ・ラブグッドをモチーフにしたメイク商品も。
Erin Ajello for Insider
死の秘宝のブラシ、ルーナ・ラブグッドの鏡やポーチといったメイクグッズも手に入る。
映画の登場人物のような「飛行」体験ができるコーナーも
こちらは7月にオープンする予定だ。
Erin Ajello for Insider
アクセサリー売り場の先にあるこの「Wizards Take Flight」というアトラクションは、7月中旬にオープンする予定だ。
映画のグラフィックデザイナーに捧げられたコーナーも
Erin Ajello for Insider
わたしは地下の階で一番面白そうなコーナーを最後に取っておいた。「ハウス・オブ・ミナリマ(House of MinaLima)」だ。
「ミナリマ」は映画『ハリー・ポッター』と『ファンタスティック・ビースト』に登場する小道具の多くを手掛けたグラフィック・デザイン担当のミラフォラ・ミナ(Miraphora Mina)氏とエドゥアルド・リマ(Eduardo Lima)氏のことだ。
その赤い壁と照明は、この店の中で最も明るく目を引いた。
入口にはいろいろなイラストが所狭しと貼られていて、ハリー・ポッターやシリウス・ブラックの指名手配の巨大ポスターもある。
多くの人々に愛された映画シリーズに命を吹き込んだ人の作品に囲まれるというのは、素晴らしい体験だ。見所があり過ぎて圧倒される。
忍びの地図のような床。
Erin Ajello for Insider
床は全面、忍びの地図で覆われている。壁はブラック家の家系図だ。
Erin Ajello for Insider
この壁紙がわたしはものすごく気に入った。ベラトリックス・レストレンジやドラコ・マルフォイといった馴染みの名前を見つけるまで、歩き回るのをやめられなかった。
暖炉はまるでダーズリー家のもののよう。
Erin Ajello for Insider
ホグワーツからの手紙でいっぱいになったダーズリー家の暖炉も最高だった。
次に来た時に店が混んでいたら、わたしは最初にこのコーナーに来ようと思った。店の中で一番ユニークな場所だからだ。まるで『ハリー・ポッター』の記念館のようだった。
「煙突飛行ネットワーク」が体験できるエレベーター
Erin Ajello for Insider
わたしが上の階へ向かおうとすると、エレベーターはもう見ましたか?と店員に聞かれた。『ハリー・ポッター』に出てくる煙突飛行ネットワークを真似て、エレベーターは魔法省の緑色のタイルに囲まれ、ドアには火がデザインされていた。
店員に勧められ、中に入ってみた。
エレベーターの中は映画の特殊効果のよう。
Erin Ajello for Insider
すると、エレベーターの中は黒く塗られていて、緑の光と炎が現れた。まさに映画で見た煙突飛行ネットワークのようだ。
Erin Ajello for Insider
上の階のエレベーターのドアも暖炉のようになっていたので、本当に煙突飛行ネットワークを使って移動した気分になる。
禁じられた森は魔法生物でいっぱい
禁じられた森のコーナーは、ハグリッドが守っている。
Erin Ajello for Insider
上の階に戻ったわたしは、禁じられた森のコーナーへ向かった。入口ではハグリッドの等身大パネルが待っていた。
ハグリッドと背の高さを比べたり、足の大きさを比べることもできる。
Erin Ajello for Insider
このコーナーには大きな木が何本かあって、『ハリー・ポッター』や『ファンタスティック・ビースト』のシリーズで馴染みのさまざまな生物に会える。
ヘドウィグやフォークス、アラゴグのぬいぐるみもある。
歩き回っていると、突然大きなエンジン音が聞こえた。ウィーズリー家の空飛ぶ車のエンジン音が15分ごとに聞こえるのだと、店員が教えてくれた。
ボウトラックルのピケットの姿も。
Erin Ajello for Insider
暴れ柳のメガネをのぞき込むと、『ファンタスティック・ビースト』の映画に出てくるボウトラックルのピケットが見えた。
インテリアグッズも売っている
Erin Ajello for Insider
寮の部屋や新しい寝室を飾りたいファンには人気がありそうだ。
ハニーデュークスのようにかわいらしいお菓子売り場
Erin Ajello for Insider
わたしは入ってすぐに、バタービールの壁に引き付けられた。パックに入ったバタービールを自宅に持ち帰ることができるのはうれしい。
バーティ・ボッツの百味ビーンズも売っている。
Erin Ajello for Insider
他にも、バーティ・ボッツの百味ビーンズや蛙チョコレートといった『ハリー・ポッター』に登場するスイーツが売られている。
蛙チョコレートもある。
Erin Ajello for Insider
時々ゲロゲロっと鳴きそうな大きなカエルもいた。
甘いものを求めて、バタービール・バーへ
Erin Ajello for Insider
たくさんのスイーツやバタービールを目にしたわたしは、甘いものが欲しくなった。
Erin Ajello for Insider
壁一面に飾られたバタービールのボトルや「宙に浮く」メニュー表、店にドリンクを供給しているかのように見えるパイプ… バタービール・バーはこの店の他のコーナーにも負けないくらい魅力的だ。
バタービールのラベルやカップなども、ミナリマのデザインだ。
Erin Ajello for Insider
バタービールは前に飲んだことがあったので、わたしはおやつを試すのが楽しみだった。
残念ながら、この時はバタービール・アイスクリームがなかったので、わたしはバタービールとヘドウィグのカップケーキを頼んだ。
ホグワーツの手紙とヘドウィグが乗ったケーキはとてもかわいいけれど、食べるのがもったいない。
美味しかったけれど、もう一度注文するこはないかもしれない。
バタービールは何度も飲みに通いたくなる味だ。
バタービールを飲んでみたいけれど、店に入る時間がないという『ハリー・ポッター』ファンは、バーの外から窓越しにテイクアウトを注文することもできる。
Erin Ajello for Insider
バタービールとカップケーキを食べ終えたわたしは、まだ見ていなかった売り場がもう1つあったことに気付いた。
まだ見ていないところがあったのかと驚いたけれど、店を出る前にルーナ・ラブグッドのコーナーを見逃さなくて良かった。
ルーナの印象的な台詞とメラメラメガネが描かれた腕飾りやシャツ、バッグなどが売られていた。
Erin Ajello for Insider
忍びの地図をモチーフにしたグッズも。
何を買うか迷ったけれど…
Erin Ajello for Insider
わたしは自分のお土産に何を買うか、最後の20分ほどを使って迷いに迷った。結局、本を2冊、ニューヨークの店限定のマスク、バタービールを何本か購入した。
オンラインストアでは、店に並んでいる商品の20%しか売られていないとレジ係の店員が教えてくれた。オンラインストアが900以上のアイテムを扱っていることを考えると驚きだ。ただ、ここが世界最大の『ハリー・ポッター』ショップであることを考えれば、その品揃えの多さも当然かもしれない。
買い物袋にはいろいろな日刊予言者新聞の記事が使われている。
Erin Ajello for Insider
購入した商品は、片面に日刊予言者新聞が印刷された袋に入れられた。わたしの袋はダンブルドアの記事だった。袋のサイズによって、使われている記事が異なるのだという。
反対側には、店の名前と住所が書かれている。
また行きたい!
今回、わたしはあらゆるコーナーを見て回ってきた。ただ、これからオープンするエリアもあるし、まだまだ見るべきものはある。
全てのエリアが完成したら、間違いなくまた訪れるだろう。ミナリマのコーナーはすぐにでももう一度見たいし、バタービールも買いたい。
世界最大の『ハリー・ポッター』の店は、買い物だけではない"体験"を提供している。まさに魔法ワールドの一部がニューヨークにやって来たようだった。
(翻訳、編集:山口佳美)