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- 中国のソーシャルメディア「Weibo」で、暗号通貨インフルエンサー数名のアカウントが停止された。
- インフルエンサーのアカウントは、ガイドラインや法律に違反していたという。
- 中国は、金融犯罪や持続可能性への懸念から暗号通貨の取り締まりを強化している。
香港紙サウスチャイナ・モーニング・ポストによると、中国が暗号通貨の取り締まりを強化する中、ソーシャルメディア「Weibo(ウェイボー:微博)」の少なくとも12人の暗号通貨インフルエンサーのアカウントが、ガイドラインや規制、法律に違反したため、凍結されたという。
このニュースが報じられた後、ビットコイン(Bitcoin)は一時的に下落したが、価格はすぐに回復した。CoinGeckoによると、2021年6月8日午前(日本時間)には1BTCは約3万3400ドルだった。
6月5日(現地時間)に、一部のインフルエンサーは突然、中国のソーシャルメディア「Weibo」の自分のアカウントにアクセスできなくなり、Weiboユーザーはインフルエンサーの投稿を見ることができなくなった。表示されたエラーメッセージには、これらのアカウントがWeiboのガイドラインと政府の規制に違反していることが記されていた。
インフルエンサーの1人は、サウスチャイナ・モーニング・ポストに対し、予想していたことなのでアカウントが凍結されても驚いていないと述べた。
中国はここ数週間、ビットコインをはじめとする暗号通貨の取り締まりを強化している。これは、金融犯罪や違法行為にデジタル資産が利用されていることや、環境への影響などについて政府が懸念を示しているためだ。
中国の暗号通貨撲滅活動の一環として、ソーシャルメディアのアカウントが標的になったのは、今回が初めてではない。BINANCEの共同創業者であるイー・ヘー(Yi He)は2019年にWeiboアカウントを停止され、業界の大物であるジャスティン・サン(Justin Sun)も同様の事態に見舞われたことがある。
ビットコインのマイニングで化石燃料を大量に使用することによる環境への懸念は、中国では特に顕著になってきている。ケンブリッジ大学オルタナティブ金融センターによると、ビットコインのマイニングはエネルギー集約度が非常に高い活動で、中国は世界最大の採掘国になっており、マイニングプロセスの65%を占めているという。
中国政府は以前、2060年までに暗号産業を排出量ゼロにすることを目標にすると発表していた。5月、規制が強化されたことで、中国の暗号通貨マイニング業者は操業停止を余儀なくされ、ビットコインは3万2000ドルを下回って、4カ月ぶりの安値を記録した。
(翻訳、編集:Toshihiko Inoue)