最新機種「WF-1000XM4」が登場。カラーバリエーションは写真左からブラックとプラチナシルバーの2色。
撮影:小林優多郎
ソニーは6月9日、完全分離型のワイヤレスヘッドホン「WF-1000XM4」の日本発売を発表した。
市場想定価格は3万3000円(税込)、6月25日に発売予定。
WF-1000XM4は、ソニーのデジタルノイズキャセリングワイヤレスヘッドホンの最上位シリーズにおける完全分離モデルの最新機種。品番の末尾に「M4」とあるが、「WF-1000X」(2017年10月発売)から数えて(「M2」は欠番のため)3機種目になる。
小型化を実現しつつ、高性能化&本体駆動時間増
非常に小さくなったWF-1000XM4。
撮影:小林優多郎
前機種「WF-1000XM3」(2019年7月発売)からの進化ポイントは、以下の通り。
- 統合プロセッサー「V1」を初搭載し、従来機と比較して処理性能向上および高音質化を実現
- XperiaやGalaxyなどで使えるハイレゾ音源をワイヤレスで伝送する「LDAC」に対応
- ストリーミング配信などの圧縮音源をハイレゾ相当にアップコンバートする「DSEE Extreme」をイヤホン側に搭載
- 前機種よりケースは40%、本体は10%小型化
- 「Headphones Connect」アプリ(Android/iOS対応)上で、自分に合ったイヤーピースを使っているか測定できる機能を搭載
- Qi規格のワイヤレス充電に対応
写真左からWF-1000XM3とWF-1000XM4。
撮影:小林優多郎
WF-1000XM3とWF-1000XM4を実際に見比べてみると、サイズ的にもデザイン的にも大きく印象が異なる。
WF-1000XM3を装着すると、人によっては耳の広い範囲を覆って存在感があるが、一方でWF-1000XM4は小さな円が耳の穴を塞ぐようなイメージになる。
「数字のわりにはかなり小さくなった」というのが筆者の第一印象だ。
実際にWF-1000XM4を装着してみたところ。
撮影:小林優多郎
そんな小型化を実現しながらも、前機種をしのぐノイズキャセリング性能を持ち、本体の連続駆動時間も公称値で6時間から8時間にアップしている。
小型化と省電力・高性能化には、新しく搭載された「V1」チップの貢献が大きい。V1は、前機種までは個別に存在したノイズキャンセリングのための処理用チップとBluetooth伝送用のチップを統合した、WF-1000XM4で初搭載の統合プロセッサーだ。
アップルの「AirPods」シリーズやサムスンの「Galaxy Buds」シリーズが対応しているワイヤレス充電に、WF-1000XM4も対応。それに合わせてケースも自立するようになった。
撮影:小林優多郎
また、音楽の再生以外の部分の利便性も向上しており、特に音声マイクの性能強化は特筆に値する。WF-1000XM4は口周辺から収音するビームフォーミング技術に加え、骨伝導センサーも搭載している。
この2種類の収音方法を組み合わせることで、環境ノイズが大きい場所でも自分の声をはっきり送れるので、コロナ禍のビデオ会議などで重宝するだろう。
パッケージも小型化、さらにプラスチックフリーを実現
写真左からWF-1000XM4とWF-1000XM3のパッケージ(デザインは発売時に異なる場合がある)。
撮影:小林優多郎
製品自体の進化は非常に順当だが、個人的に最も驚かされたのは製品を梱包する外装にあった。
以下の写真を見ていただくとわかるが、本体の小型化に合わせて外箱も非常にコンパクトなサイズに仕上がっている(パッケージ体積は前機種の34%減)。
パッケージの内容量もこんなに違う。
撮影:小林優多郎
さらに、そのパッケージには竹やサトウキビなどを原材料にした「ブレンディッドマテリアル」を採用し、プラスチックフリーを実現している。
WF-1000XM4のパッケージにはプラスチック素材が一切使われていない。
撮影:小林優多郎
すでに同社の最新ゲーム機「PlayStation 5」などでもプラスチック素材を減らす工夫は行われていたが、今回のブレンディッドマテリアルを採用し、完全プラスチックフリーを実現したパッケージは、WF-1000XM4が初めてとなる。
(文、撮影・小林優多郎)