“電動スクーター界のテスラ”台湾ゴゴロの「電池サブスク」が圧倒的に支持される理由

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台湾の電動スクーターメーカー「ゴゴロ(Gogoro)」のビジネスモデルが脚光を浴びている。

Screenshot of Gogoro website

電気自動車(EV)を構成する部品のなかで最も高価なのは、動力源となる大型の車載電池だ。

そしてその事実は、EVに車輪がいくつあっても変わらない。

車輪が2つある電動スクーターの場合、電池コストは全体のおよそ4割を占める。とりわけ、車載電池は充放電のくり返しによって性能が低下し、電池自体の価値が低下していくため、購入する際にコスト面を考えて躊躇(ちゅうちょ)する人も多い。

そんななかで、この問題を解決できると確信を抱く電動スクーターメーカーがある。台湾の「ゴゴロ・グローバル(Gogoro Global)」だ。

ゴゴロ製の電動スクーターを購入する客は、バッテリーは買わない。月額料金を支払って同社の電池交換ネットワークにアクセスし、街中に設置されたATMサイズの「ゴーステーション(GoStation)」で、残量のなくなった電池パックを充電済みのものと交換するのだ。

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ゴゴロの電池交換拠点「ゴーステーション(GoStation)」。ランチャー型のスロットに電池パックが格納されている。

Screenshot of Gogoro website

「フレックス(Frex)」シリーズを契約すると、電池パックが固定料金で使い放題になる。最も容量の少ないプランで月額299台湾ドル(約1180円)、最大容量プランは月額1199台湾ドル(約4730円)。

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ゴゴロが提供する電池交換ネットワークの月額料金の一例。画像は「フレックスプラン(Flex Plan)」のもの。

Screenshot of Gogoro Network website

ゴゴロの最高経営責任者(CEO)ホレス・ルークはInsiderの取材にこう語っている。

「電池を車体と別に考えることで、競争力をより高く維持することが可能になる。車載電池はサブスク、契約するものとしての位置づけ。月々の使用量に応じて料金プランを決め、(必要な分を)払えばいい」

ゴゴロ(Gogoro)最高経営責任者(CEO)のホレス・ルークによる同社製スマートスクーターの解説動画。

Gogoro YouTube Official Channel

ゴゴロ製の電動スクーターの販売価格は、モデルによって2161米ドル(約23万円)から2886ドル(約30万円)まで。台湾では補助金を利用すると、価格はもう少し下がる。進出先の中国やインドにも同様の補助金があり、比較的安く購入できる。

同社は最近、中国の二輪大手DCJおよび電気二輪大手ヤディア(Yadea、雅迪)、インドの二輪最大手ヒーロー・モトコープ(Hero MotoCorp)と、それぞれ現地で合弁会社を設立している。

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ゴゴロが販売する最新の電動スマートスクーター「VIVA MIX」。

Screenshot of Gogoro website

負荷を最小化、インパクトを最大化

ゴゴロが掲げるミッションはシンプルだ。

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