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- アメリカのクリスピー・クリーム・ドーナツは1937年の創業以来、ブランドの象徴であるグレーズド・ドーナツを売り続けてきた。
- 創業から約84年、クリスピー・クリーム・ドーナツはカルト的な人気を獲得してきた。
- クリスピー・クリーム・ドーナツのこれまでを写真とともに振り返ってみよう。
クリスピー・クリーム・ドーナツは1937年に創業した。
店の外に並ぶクリスピー・クリーム・ドーナツのトラック。
Courtesy of Krispy Kreme
クリスピー・クリーム・ドーナツの最初の店は、ノースカロライナ州ウィンストン・セーラムにオープンした。同社の公式サイトによると、創業者のバーノン・ルドルフ(Vernon Rudolph)氏は、ルイジアナ州ニューオーリンズのフランス料理のシェフからイースト発酵させたドーナツの秘密のレシピを買ったという。
ルドルフ氏は店内でグレーズド・ドーナツを作り、地元の食料品店にそれを販売した。
最初に売れたドーナツはもちろん「オリジナル・グレーズド」だ。今でもカルト的な人気を誇っている。
オリジナル・グレーズド。
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店の前を通る人たちからドーナツを買いたいと要望されたルドルフ氏は、彼らに直接販売するため、建物の側面に穴を開けたという。
ただ、クリスピー・クリーム・ドーナツはその後、さまざまなフレーバーのドーナツを作るようになった。今ではそのコラボ商品などもよく知られている。
バターフィンガーとのコラボ商品。
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クリスピー・クリームはさまざまなブランドとコラボレーションしている。
また、アメリカでは、新型コロナウイルスのワクチン接種が一般向けに可能となった際、接種を済ませた人に無料でドーナツを提供した。
1940年代から1950年代にかけ、クリスピー・クリームは店舗数を増やしていった。
フランチャイズとして成長し始めた。
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クリスピー・クリームは小さなチェーン店へと拡大していった。同社によると、その大半は一族が所有していたという。
それぞれの店舗は同じレシピを使用していたが、ドーナツの生地は全てイチから店内で作られていたため、違いが生じた。
"店による違い"を解消するため、クリスピー・クリームは生地作りを合理化した。
出来立てのオリジナル・グレーズド。
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公式サイトによると、同社は「ミックス粉工場」と配送システムをつくって、それぞれの店が同じミックス粉を使うようにした。
1950年代は工程をさらに合理化するための特殊な設備の開発に力を注ぐなど、チームは革新し続けた。
1960年代から1970年代の初めにかけ、クリスピー・クリームはさらに成長した。ただ、全ての店が同じような見た目だった。
緑色の屋根が象徴的。
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クリスピー・クリームと言えば、緑色のタイルの屋根だろう。同社は緑と白の色使いを重視している。大きな看板も"お決まり"だ。
1973年にルドルフ氏が亡くなると、同社は事業再編され、1976年には売却された。
食料品店に並べられたクリスピー・クリーム・ドーナツの商品。
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ベアトリス・カンパニーズの食品流通部門であるベアトリス・フーズ・カンパニーが1976年にクリスピー・クリームを買った。
フランチャイズ加盟者たちは1982年、ベアトリス・フーズ・カンパニーからクリスピー・クリームを買い戻し、顧客体験の向上に力を注いだ。
クリスピー・クリームは全国チェーンに。
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クリスピー・クリームによると、フランチャイズ加盟者たちは1996年にニューヨーク市に、1999年にカリフォルニア州に店をオープンさせることで、クリスピー・クリームをこれまで展開してきたアメリカ南東部の外へと広げていった。
クリスピー・クリームは今も拡大し続けている。
タイムズスクエアにある旗艦店。
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2020年、世界的なチェーン店になったクリスピー・クリーム・ドーナツは、ニューヨークのタイムズスクエアに最新の旗艦店をオープンした。この店は24時間営業だ。
2000年、クリスピー・クリームは初めて上場した。しかし、2016年には身売りし、非上場会社となった。
Insiderでも報じたように、クリスピー・クリームは2000年、証券コード「KREM」でナスダック上場を果たした。2001年には「KKD」でニューヨーク証券取引所に上場替えした。
その後、2016年にヨーロッパの投資ファンドJABホールディングに13億5000万ドルで身売りし、クリスピー・クリームは再び非上場会社となった。
2021年6月1日、クリスピー・クリーム・ドーナツは再び上場を申請した。
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報道によると、クリスピー・クリームは5月4日、上場に向けて必要な書類を秘密裏に提出したという。
6月1日には、IPO(新規株式公開)を申請した。SEC(証券取引委員会)への提出書類の中で同社は、証券コードは「DNUT」でナスダックに上場するとした。
(翻訳、編集:山口佳美)