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- 米アマゾンは時間給労働者をすぐに使い切ってしまう。ニューヨーク・タイムズが報じた。
- 従業員の入れ替わりがあまりに激しいため、アマゾンの一部幹部たちは、採用可能な人材がいなくなるのではないかと心配しているという。
- 新型コロナウイルスのパンデミックで増加するオンラインショッピングに対応するため、アマゾンは積極的な採用活動を行ってきた。
アマゾンは「フルフィルメントセンター」と呼ばれる倉庫で働く人々を数十万人雇っているが、こうした従業員たちはクビになるのと同じくらいの早さで仕事を辞めているという。ニューヨーク・タイムズが6月15日に報じた。
2020年7月から10月の間に採用した35万人を超える従業員の多くが、「数日から数週間しか」続かなかったという。
ニューヨーク・タイムズが入手したデータによると、時間給労働者の離職率は毎年約150%ほどだ。そのため、アマゾンの一部幹部たちは、アメリカで採用可能な人材がいなくなるのではないかと心配しているという。
新型コロナウイルスによるロックダウン(都市封鎖)で急増するオンラインショッピングに対応しようと、アマゾンは2020年、積極的な採用活動を行った。日用品や食料品といったものをアマゾンに求めるアメリカ人が増える中、同社は大規模採用を繰り返した。
2021年5月までに、アマゾンは新入社員に1000ドル(約11万円)の契約金まで与えていた —— これはさまざまな業界の雇い主が直面している採用上の問題のせいでもあるが、アマゾンの驚くほど高い離職率のせいでもある。
倉庫で働く人材の確保を監督していたアマゾンの元管理職の男性は、人の入れ替わりが激しいアマゾンの倉庫の状況を化石燃料の使用になぞらえた。
「自分たちの首をゆっくりと絞めていると分かっていても、わたしたちは使い続けているのです」と男性はニューヨーク・タイムズに語った。
Insiderはアマゾンにコメントを求めたが、回答は得られなかった。
(翻訳、編集:山口佳美)