エアビーアンドビーのブライアン・チェスキーCEO。
Mike Segar/Reuters
- エアビーアンドビーは、ネガティブな経験をしたゲストとホストに毎年5000万ドルをかけていると、ブルームバーグが報じた。
- 従業員によると、それには航空運賃や代替宿泊の費用、カウンセリング費用などだ。
- 銃弾で開いた穴の修復費用や発見された人体の一部に関連する費用も含まれているという。
ブルームバーグによると、エアビーアンドビー(Airbnb、以下エアビー)は施設を利用中にネガティブな経験をしたゲストやホストのケアに毎年5000万ドル(約55億円)をかけているという。
ブルームバーグが入手したエアビーの内部文書には、同社が近年、訴訟の解決やホストの家の修繕にそれだけの金額を支出していることが記されている。
ブルームバーグが同社のセーフティチームの従業員と元従業員から話を聞いたところ、同社はトラウマになるような体験をしたゲストとホストに対し、彼らが支援されていると感じられるように、必要と思われるだけの費用をかけるという。それには、代替宿泊先や航空運賃、カウンセリング費用、性暴力被害者の性感染症検査費用などが含まれると、従業員たちは語った。
エアビーの従業員は、世界一周旅行や犬のカウンセリングの費用も払ったことがあると述べた。セーフティチームの元従業員は、同社のやり方を「お金の大砲を打つ」と表現した。
彼らは、ホストの家の修繕費用も払っていると話した。それには、血痕をきれいにするための特殊清掃業者を雇う費用や、家に開いた銃弾の穴の修理費用、見つかった人体の一部に関連する費用などが含まれるという。
彼らは、顧客を大切にするように支持されるだけではなく、同社のイメージを維持するようにプレッシャーをかけられており、公にしにくい案件では和解に持ち込むように指示されていたという。
ブルームバーグは、2015年のニューヨークのあるエアビーで、女性が合鍵を持っていた男に性暴力を受けた事件で、同社は訴訟や責任を問われることを防ぐために700万ドルの和解金を提示した、と報じている。
Insiderはエアビーにコメントを求めたが、回答は得られていない。同社は、支出した費用の大部分は施設の修繕に関するもので、10万ドル以上の高額になる和解金は大変稀であると、ブルームバーグへの書面で述べた。
「人はもともと予測できないものであり、我々が努力しても、時には悪いことが起きる」と、同社のグローバルオペレーションの責任者、タラ・ブランチ(Tara Bunch)はブルームバーグに対して述べている。
「すべてを止めることはできない。どのように対応するかが重要であり、起こってしまった場合はそれを正さなければならない。それこそが我々がいつも心がけていることだ」
米Insiderを運営するInsider Incを所有するアクセル・シュプリンガー(Axel Springer)社はエアビーアンドビーに出資している
(翻訳:Makiko Sato、編集:Toshihiko Inoue)