コロナ禍でもっとも変わったのは、働き方ではないだろうか。オフィスに出社せず、自宅またはサードプレイスで仕事を行うリモートワークを推奨する企業が急増した。
そこで顕著だったのが、PC問題だ。会社支給のノートPCはスペックが低く生産性が上がらないという声が多く挙がり、多数の家電量販店で一部モデルの在庫が枯渇するなど、改めてビジネスに使うノートPCのスペックの重要性が再認識されることとなった。
現在はこのような状況も解消されつつあるものの、依然として高スペックノートPCの重要性や、長期化するリモートワークで生じるさまざまな問題をどう乗り越えていくべきかについての議論は尽きない。
そこで、800人に及ぶメンバーのほぼ全員がリモートワークである株式会社キャスターの取締役COOを務める石倉 秀明氏に、リモートワーク下におけるノートPCの選び方や課題感、また販売台数No.1のノートPC(※)・NECパーソナルコンピュータの<LAVIE N15>シリーズの使い心地について、話を伺った。
※2021年1月~5月、BCN調べ:全国家電量販店での最新販売台数ランキング第1位
800人超のほぼ全員がフルリモートワーク
石倉 秀明(いしくら・ひであき)氏/1982年生まれ。群馬県出身。株式会社キャスター取締役COO。リクルートHRマーケティング入社。2009年に当時5名のリブセンスに転職し、ジョブセンスの事業責任者として東証マザーズへ史上最年少社⻑の上場に貢献。その後、DeNAのEC事業本部で営業責任者ののち、新規事業、採用責任者を歴任。現在、800名以上のほぼ全員がリモートワークで働く会社、キャスターの取締役COO。2019年4月よりFNN系列「Live News α」のレギュラーコメンテーターを務める。
石倉氏がCOOを務めるキャスターは、800人以上のほぼ全員がリモートワークという、かなり珍しい会社だ。日本全国47都道府県はもちろん、海外在住の社員もいる。2014年創業だが、当時はそのような形態の企業は少なく、かなり注目されていた。
「創業者の中川は、働く場所に関係なくキャリアを選べ、スキルや実績を活かせる働き方を実現したいということから、キャスターを創業しました」(石倉氏)
キャスターの採用面接では、居住地と年齢は聞かない。リモートワーク専業企業にとって住んでいるところは関係なく、スキルと実績を重視するため、年齢も関係ないからだ。
石倉氏は、子どもが生まれた2016年に、場所と時間に縛られない働き方をしたいという想いから独立。その後自身の会社をキャスターに売却し、ジョインした。フルリモートワークのキャスターは、自身にとってはまさに理想の企業だ。
世界中に800人以上のメンバーがいるが、石倉氏が実際に会ったことがあるのは20〜30人程度。仕事に関しては100%オンラインでのコミュニケーションのみで完結している。
「必要なことはチャットツールを使って連絡していますし、会社からの連絡事項も全員把握できるようにしているので、特に不都合は感じません。チャットツールで雑談をしていたりすることもあります。オフィスに行かないだけで、それ以外はほとんど普通の会社と変わりませんよ」(石倉さん)
「一人1台ノートPC」がリモートワークの第一歩
キャスターでは、さまざまなサービスを提供しているが、コロナ禍でリモートワークが急激に広まったとき、リモートワークに関する相談がさまざまな企業から多数寄せられたそうだ。そのなかでも特に多かったのが「何から手を付けていいかわからない」というものだった。
「やはり、一番重要なのがPCですね。場所を問わず働く場合、ノートPCが必須になります。小さな会社だと一人1台PCがなかったり、デスクトップPCのみを使っていたりすることもあるので、まずは一人1台ノートPCを支給しましょうというところがスタートラインですね」(石倉氏)
そのほか、通信環境も重要。若い世代などは自宅にWi-Fiがないという場合も多い。プライベートはスマートフォンだけで完結できるからだ。ノートPCとインフラ環境の構築というのは、リモートワークにおいては最低限必要なものなのだ。
コミュニケーションは「音声」から「テキスト」の時代へ
また、コミュニケーション面でも意識の変化が必要になる。オフィスで仕事をしていると、コミュニケーションのメインは「音声」となる。つまり、上司や同僚、部下などと話すことでコミュニケーションを行うのが当たり前だった。
しかし、リモートワークになると「テキスト」がメインとなるケースも多いだろう。一見同じように感じるが、コミュニケーションの在り方はかなり違う。
「会議やオフィスでのミーティング、雑談などはリアルタイムでコミュニケーションが行えますが、チャットやメールでのコミュニケーションは必ずしもリアルタイムではありません。でもログは残るわけです。非同期のコミュニケーションでは、その場にいないメンバーにも情報をきちんと伝えられるようにしなければなりません」(石倉氏)
また、相手の顔が見えないテキストコミュニケーションでは、ニュアンスが伝わりづらいことも多い。それらを解消するには、とにかくこまめにコミュニケーションを取ることが重要だという。それだけにキーボードの使い勝手は重視したいところだ。
「テキスト主体だと、連絡事項だけを書いてしまいがちです。それでは、なかなか円滑なコミュニケーションが生まれません。できるだけやり取りをする回数を増やし、まるで会話をしているかのようにキーボードが快適に使え、チャットやメールを使えるようになれば、テキストコミュニケーションのストレスは軽減されていきます」(石倉氏)
オフィスでは、隣にいる同僚と冗談を言い合ったりしていたのに、リモートワークでは必要なことしか送受信しない。それでは、いつまでたってもオフィスワークとリモートワークの差が縮まらないのだ。
リモートワーカーにとってノートPCは“オフィスそのもの”だから高スペックのほうがいい
リモートワークの必要条件であるノートPC。特にエンジニアやデザイナーから高いスペックのモデルの要望が多いというが、そうでない部署でもスペックは大切だという。
「クラウドサービスでデータを共有しながら複数のアプリケーションを立ち上げて作業しつつ、チャットでやり取りをするという弊社のスタイルでは、低スペックなノートPCでは業務に支障が出る可能性もあります」(石倉氏)
そのため、キャスターでは社員全員ができるだけ高スペックなノートPCを使える環境にあるという。
<LAVIE N15>シリーズの最上位機種<N1585/AAL>は、CPUにAMD Ryzen™ 7 Extreme Edition、メモリ16GB、内蔵ストレージに1TBのSSDを搭載した15.6型のフルHD液晶を搭載。また、Blu-rayディスクドライブも搭載しており、あらゆる用途に耐えられるスペックを備えた一台として、販売台数No.1のノートPCだ。
「これだけのスペックがあれば、なんの心配もなくリモートワークで使えますね。リモートワーカーにとってノートPCは“オフィス”そのもの。PCの中に“オフィス”があると言ってもいいでしょう。なので、余裕のあるスペックのノートPCのほうが生産性を上げられるのは間違いありません」(石倉氏)
快適なビデオ会議が行えるインカメラ&スピーカー
また、ビデオ会議などが増えている現在では、Webカメラの画質や、マイクやスピーカーの性能も重要視される。なぜなら対面で直接会えない分、オンラインでどのように自分の言葉や表情を届けるかには注意を払う必要があるからだ。
<LAVIE N15>シリーズでは、フルHDのインカメラを搭載。本体には「ヤマハ製ステレオスピーカー」を採用。コンテンツに合わせて最適な音質に調整する「AudioEngine™」により、臨場感溢れる音響が楽しめる。また、周囲のノイズ低減に加え、音量の均一化やスピーカーから聞こえる範囲を調整できる「ミーティング機能」を搭載している。
これにより、自宅からのリモートワークで拾ってしまいがちな家族の声や工事の音といった環境音を抑え、相手に声が届きやすくなるだけでなく、相手に聞き返すことも減らせるだろう。
「インカメラの画質がとてもいいですね。これによってコミュニケーションの解像度もぐっと上がるような気がします。音質もクリアですし、周囲の雑音が消えているので聞き取りやすいですね」(石倉氏)
テキストのコミュニケーションが増えたからこそキーボードは重要
<LAVIE N15>シリーズは、キーボードにもこだわりがある。キートップの中央がくぼんでいる「シリンドリカル形状」や、タイピング音を抑えた静音設計を採用。長時間のタイピングでもストレスを感じない。また、ディスプレイを開くとキーボード面が適度に傾斜する「リフトアップヒンジ」により、より自然な角度でタイピングが行えるため、疲労感も少ない。
「リモートワークで、テキストによるコミュニケーションが増えているので、キーボードにこだわる人も増えていると思います。僕はショートカットキーを多用するので、この<LAVIE N15>シリーズのように打ち心地のよいキーボードに惹かれますね」(石倉氏)
起動の速さ&豊富なインターフェイスで生産性アップ
そのほか、<LAVIE N15>シリーズは起動時間が速いという特徴もある。電源オフからWindows 10が起動するまで、およそ8 秒。編集部で比較したところ、他社のノートPCでは、約2倍の時間を起動に要した。何かPCに不具合があった場合、再起動すると直ることが多いが、再起動にかかる時間が短縮されれば、ストレスはかなり軽減する。もちろんロスタイムが少なくなり、生産性向上にもつながる。
また、インターフェイスが豊富なのも特徴のひとつ。USB-C端子はもちろん、USB-A端子×2、HDMI端子×1、有線LAM端子×1、ヘッドホン・マイク端子×1と、充実している。
「これだけのインターフェイスが揃っていれば、別途ハブなどを取り付けなくてもいろいろな周辺機器が使えていいですよね」(石倉氏)
働き方だけではなく事業形態にも変化を
リモートワークは、これからのビジネスの主流になる可能性が高い。長らくオフィスでのビジネスを行ってきた結果、オフィスでの生産性向上はある程度メソッドが確立してきたが、リモートワークにおける生産性向上はまだ答えがない状況だ。
この「リモートワークで生産性を高めるための課題」はどんなところにあるのだろうか。
「現在リモートワークでさまざまな企業が右往左往しているのは、事業モデルを変えずに働き方を変えようとしているからです。今後リモートワークが続いていく中で、事業やビジネスモデルをどのように変えていくかという考え方が重要になると思います」(石倉氏)
たとえば、小売業がECビジネスに参入したり、飲食店がテイクアウトビジネスを始めたりというように、リモートワークに合わせた事業モデルの変化が必要。そして、そこに気付いてリモートワークにフィットできれば、これまで以上に生産性が上がる可能性があるということだ。
では一方で、個人が生産性を向上するためにはどうしたらよいのか?
個人個人にとって、ノートPCはリモートワーク環境ではより重要な仕事におけるパートナーだ。
<LAVIE N15>シリーズは、ビデオ会議でのコミュニケーションの解像度を上げることはもちろん、キーボードの打ちやすさや起動の早さが日々のストレスを軽減してくれる。そうして生み出した時間こそが自身の生産性やアウトプットの質に直結するはずだ。
今一度、リモートワーク下で自分自身にフィットするノートPCとは何なのか、考えてみてはどうだろうか。