ホワイトハウスは、ジョー・バイデン大統領が「この職に就いた誰よりも高い倫理観を持っている」と主張している。
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- ジョー・バイデン大統領の側近の子どもや親族が、政権内で仕事を確保している。
- ワシントン・ポストによると、バイデン政権の幹部の少なくとも5人の子どもがホワイトハウスで働いているという。
- 大統領顧問のスティーブ・リケッティは、3人の子どもがバイデン大統領の下で働いているという。
ワシントン・ポストによると、ジョー・バイデン(Joe Biden)大統領の側近の子どもや親族の何人かが、ホワイトハウスでの仕事を確保している。
同紙によると、バイデン大統領の側近の子どもが少なくとも5人は政権内で働いているという。
倫理や多様性の専門家は、ドナルド・トランプ(Donald Trump)前大統領時代のホワイトハウスで見られたような縁故主義の継続ではないかと懸念を示していると、ポスト紙は伝えている。
2013年から2017年までアメリカ政府の倫理局局長を務めたウォルター・シャウブ(Walter Shaub)は、「トランプが(娘婿の)ジャレッドや(娘の)イヴァンカを起用したような、自分の息子や娘を政府のトップポストに起用するほどではないかもしれないが、やはりいいこととは言えない」と述べている。
「『トランプほど悪くない』を基準にしてはいけない」
最近、バイデン大統領が信頼する側近の息子がホワイトハウスに採用された。ポスト紙によると、2020年に大学を卒業したJ.J.リケッティ(J.J Richetti)は、大統領顧問のスティーブ・リケッティ(Steve Ricchetti)の息子で、立法事務局(Office of Legislative Affairs)の特別アシスタントとして採用された。
リケッティの他の2人の子どもたちも、政権内で仕事をしている。長男のダニエル(Daniel)は、軍備管理・国際安全保障担当国務次官室でシニアアドバイザーを務めている。長女のシャノン(Shannon)は、ホワイトハウスの社会秘書官の副アソシエイト・ディレクターを務めている。
また、ホワイトハウスのブルース・リード(Bruce Reed)補佐官の娘、ジュリア(Julia)は、バイデン大統領のスケジュール管理者として働いている。
また、ホワイトハウスの大統領人事局局長であるキャシー・ラッセル(Cathy Russell)にも、政権に雇用されている子どもがいる。ポスト紙は、ラッセルの娘であるサラ・ドニロン(Sarah Donilon)がホワイトハウスの国家安全保障会議に勤務していると報じている。また、ラッセルの義理の兄弟であるマイク・ドニロン(Mike Donilon)は、バイデン大統領の上級顧問を務めている。
また、ホワイトハウス報道官であるジェン・サキ(Jen Psaki)の妹は、3月に保健福祉省の上級顧問に任命されたとポスト紙は伝えている。
バイデン氏の長年の盟友であるホワイトハウスの首席補佐官ロン・クライン(Ron Klain)の妻も、バイデン政権で働いていると同紙は報じている。
ホワイトハウスは、全員が資格に基づいて雇用されていると主張している。ポスト紙は、バイデン大統領の側近が、自分の子どもや親族のために仕事を確保したという証拠はない、と報じている。
ホワイトハウスのアンドリュー・ベイツ(Andrew Bates)副報道官は、ポスト紙に対し、「大統領は、この職に就いた誰よりも高い倫理基準を設けている」と述べた。
「そして、アメリカ史上最も多様性のある政権に、彼の価値観を反映した有能な人材を配置できたことを誇りに思っている」
しかし、倫理と多様性の専門家は懐疑的だ。「パンデミックを経験したばかりの国で、なぜ、政治任用者の子どもたちだけが雇用される資格を持っているのか」とシャウブはポスト紙に語っている。
インクルーシブ・アメリカ(Inclusive America)の共同設立者であるマーク・ハニス(Mark Hanis)は、「すべての政治任用者は、公に募集され、競争性と透明性が確保された状況で、世界の他の国々と同じように採用されるべきだ」と述べた。
「残念ながら、このような政治的なポジションの多くは、関係性が重視される。あなたが誰を知っているかが重要なのだ」
(翻訳、編集:Toshihiko Inoue)