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ニトリの外食参入に見る「シナジー効果」の新定義【音声付・入山章栄】

今週も、早稲田大学ビジネススクールの入山章栄先生が経営理論を思考の軸にしてイシューを語ります。参考にするのは先生の著書『世界標準の経営理論』。ただし、本連載はこの本がなくても平易に読み通せます。

家具・雑貨販売のニトリは先ごろ、外食産業に参入すると発表しました。家具と外食、一見シナジーが働きそうにない取り合わせですが、入山先生は「相乗効果(シナジー)はある!」と見ているようです。ただしそのシナジーは、従来言われているものは違うようです。ニトリの狙いはどこにあるのか、入山先生の考察にご注目。

【音声版の試聴はこちら】(再生時間:9分32秒)※クリックすると音声が流れます


あのニトリが外食に進出?

こんにちは、入山章栄です。今回はBusiness Insider編集部の常盤亜由子さんから質問が来ています。同編集部の小倉宏弥さんにも加わってもらって、これについて考えていくことにしましょう。


BIJ編集部・常盤

BIJ編集部・常盤

2020年3月に、家具・インテリア雑貨の最大手ニトリが外食産業に参入するというニュースが報じられました。「ニトリのドメインとはまったく違う外食産業に、なぜ?」と驚いて記事を読んでみると、これまでニトリが培ってきた、廉価に商品を提供するノウハウを外食産業にも応用する狙いだと書かれていたんですね。

企業が新規事業を立ち上げるときは、既存の事業とのシナジー効果が見込めるものにするべきだとよく言われますよね。しかし家具と外食では業態が全然違います。このようなケースでも、シナジー効果は見込めるものなのでしょうか?


常盤さんの疑問はもっともですね。外食は難しいですし、家具のニトリのノウハウや強みが応用しやすいとは想像にくいですよね。ただ僕は、「ニトリダイニング」はけっこう悪くないのではないか、と思っています。というのも最近、いろいろな意味で「シナジー」の考え方が変わってきているのではないか、と思っているからです。

とはいえ僕は、似鳥昭雄さんのビジネスの考え方をよく理解しているわけではありません。もしピント外れなことを言っていたら、あくまで外野の学者の意見ということでご容赦ください。

ポイントは大きく2つあります。

第一に、このレストラン事業はニトリの「思想」と親和性が高いのではないか、ということです。「思想のシナジー」ですね。そもそもニトリは、社会問題に取り組む意識が強い会社です。僕はコープさっぽろの理事をしているのでよく北海道に行っていますが、小樽に行くと小樽芸術村というところがあって、そこは実は似鳥文化財団が公益事業として運営しているものです。

小樽はかつて漁港として栄え、観光地としても人気でしたが、今は全盛期ほどの賑わいはありません。でもニトリはもともと北海道の会社なので、小樽を復活させたいという思いもあり、小樽芸術村をつくったはずです。

さらにニトリはコープさっぽろと組んで、これからワイン研究所をつくろうと計画しています。例えば北海道の与市といえばウイスキーのイメージがありますが、実はワインの産地でもある。北海道をワインツーリズムの聖地にすることで、さらに盛り上げようと考えているのです。ニトリはそんな社会的な意識を持った会社だと私は理解しています。

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