Associated Press
- カリフォルニアは大干ばつに見舞われ、州の主要な貯水池が干上がっている。
- 貯水池が急激に縮小し、ヨットや桟橋が乾いた地面の上に取り残された。
- 州の95%近くが深刻な干ばつに見舞われていて、山火事が起こりやすい状態になっている。
カリフォルニア州は過去4年間で最悪の干ばつに見舞われている。
全米干ばつ情報システム(NIDIS)によると、3700万人以上がすでに「大干ばつ(megadrought)」の影響を受けており、州の95%近くが深刻な干ばつによって山火事の危険にさらされている。
カリフォルニアでは2020年、前年の2倍の8200件以上の山火事が発生した。そして2021年は猛暑によって貯水池が干上がり、2020年以上に山火事が発生しやすい状態になっている。NIDISの分析担当者は「厳しい状態にある」と述べている。
2017年10月15日撮影。
Jim Urquhart/Reuters
カリフォルニアにある1500以上の貯水池の水位は、例年同時期より50%以上低いと、カリフォルニア大学デービス校の流域科学センターの共同ディレクターを務めるジェイ・ルンド(Jay Lund)は、AP通信に語った。
4月には、猛暑によってサンガブリエル貯水湖が湖底まで乾いてしまった。貯水湖に雨が降るのは2021年末まで期待できないという。
干ばつによってサンガブリエル貯水湖が干上がった。
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6月16日には、ある貯水湖が干上がったことで、1965年に墜落した飛行機が発見された。数十年前の謎が解明されるかもしれない。
カリフォルニア州のフォルソム湖が2017年に干ばつしたときの様子(左)と、Seafloor Systems社のセンサーが捉えた湖底の飛行機の画像(右)。
Robert Galbraith/Reuters/CBS13
カリフォルニアの干ばつの原因は、気候変動によって気温が約2度上がり、そのことが土壌を乾燥させ、シエラ・ネバダ山脈の雪渓を減少させており、地中に吸収される水や、川や貯水池へと流れこむ水量が少なくなっていることにある。また、カリフォルニア州では、この地域に必要な風雨をもたらすことない異常に乾燥した冬を2回経験している。
当局では、水力発電所を通して州のエネルギー生産を担っているオーロビル湖の水位が、8月には史上最低になると予測している。もしそうなった場合、主要な水力発電所は停止することになり、夏の最も暑い時期の電力供給に不安を残すことになる。
湖は6月初旬に水位が38%まで下がり、約130隻のボートが湖から引き上げられた。カリフォルニア州水資源局によると、6月の平均水位は約45%だ。
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カリフォルニア州のボート所有者はこの夏に大変な思いをするだろう。
AP通信の写真では、湖の大部分が干上がり、ボートや桟橋が完全に地面の上に取り残されていることがわかる。
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専門家によると、この干ばつは、野生生物の個体数やカリフォルニアの観光業に壊滅的な打撃を与える可能性があるという。
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カリフォルニア州のギャビン・ニューサム(Gavin Newsom)知事は4月、干上がったメンドシーノ湖で記者会見を開いた。彼が立っていたのは、水位約40フィート(約12メートル)の水があるべき場所だ。
「前例のないことだ」と、ニューサム知事は述べた。
「我々はときに記録的という言葉を使うが、これは本当に記録的なことだ」
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その1カ月前の3月、カリフォルニア州水資源局は、農家や栽培業者への水配分を5%減らしていた。そのため、農家は土地の大部分に種を蒔かず、高額な補助水を購入せざるを得なかった人もいた。カリフォルニア州農業局によると、5月中旬の補助水の価格は、1エーカー・フィート(約1233立方メートル)あたり1500ドル(約16万6000円)から2000ドル(約22万円)だった。
また、畜産農家が家畜にエサや水をやることも難しくなった。
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貯水量が減る一方で、気温は上昇し続けており、カリフォルニアは壊滅的な夏を迎える可能性がある。高まる山火事の恐怖から農業や観光業への影響まで、カリフォルニア州の住民は2014年以来の最悪の干ばつに備えている。
[原文:Take a look at some of the lakes in California that have been swallowed up by the 'megadrought']
(翻訳:Makiko Sato、編集:Toshihiko Inoue)