2020年2月、ロンドン。
John Phillips/BFC/Getty Images for BFC
- アマゾンは、売れ残ったり返品された商品を週に13万点廃棄していると報じられた。
- バーバリーやアーバン・アウトフィッターズ、H&M、ナイキ、ビクトリアズ・シークレットもこうした商品の廃棄をめぐって批判を浴びてきた。
- ファッション業界は、人間の活動によって排出される二酸化炭素量の10%を排出している。
売れ残った商品を廃棄している企業は、アマゾンだけではない。
スコットランドにあるアマゾンの物流倉庫で働いていた元従業員が、売れ残ったり返品された商品を週に13万点廃棄するよう指示されていたとイギリスの放送局ITVに語ったことで、アマゾンは今週、批判を浴びた。週に13万点ということは、年に100万点以上の商品を廃棄しているということだ。
ただ、こうした"大量廃棄"を行っているのは、アマゾンだけではない。
近年のさまざまな報道によると、バーバリー、アーバン・アウトフィッターズ、H&M、ナイキ、JCペニー、マイケル・コース、エディー・バウアー、ビクトリアズ・シークレットといったブランドも、同様の大量廃棄を行っているとして批判されてきた。
バーバリーは服を燃やしていたことを明かし、「その工程で得られるエネルギーを利用する、特別な焼却炉を使っていた」と述べた。その年のバーバリーの収益38億ドル(約4200億円)に対し、約3700万ドル相当の商品が廃棄されていた。
「バーバリーは服をリサイクルしてエネルギーに変えていると強調してきました。ただ、服を燃やすことで回収したエネルギーは、商品を作るために使われたエネルギーには遠く及びません」とニューヨークにあるパーソンズ美術大学の副学部長でファッションデザインとサステナビリティの教授でもあるティモ・リッサネン(Timo Rissanen)氏は2018年、Voxに語った。
消費者が1年間で購入する服の量は2000年代初め以降、着実に増加している。Insiderでは以前、ファッション業界が人間の活動によって排出される二酸化炭素量の10%を排出し、水源を枯渇させ、河川を汚染していると報じた。
シャネルやルイ・ヴィトンも商品を燃やしてきた。カルティエやモンブランといったブランドを保有するスイスのリシュモンは2018年、商品が再販業者の手に渡らないようにするため、5億ドル以上相当の時計を廃棄したと述べた。
ITVの報道を受け、アマゾンの広報担当者は、ごみの埋め立て地に送られた服はないものの「最終手段として」一部が「エネルギー回収施設」に送られた可能性はあるとInsiderに語った。
「こうしたことが起こる回数をゼロにすべく努力しています」とアマゾンはコメントした。
(翻訳、編集:山口佳美)