- ミャンマーの民兵組織が軍事政権に宣戦布告した。ミャンマーは戦争にまた一歩近付いている。
- マンダレーでは、クーデターで権力を握った国軍と民主派の「人民防衛隊」が衝突、銃撃戦となった。
- ミャンマーの都市で国軍と民主派の銃撃戦が発生したのは、2月1日のクーデター以来、これが初めてだ。
ミャンマーの武装民兵組織が軍事政権に宣戦布告した。
ミャンマーで2番目に大きな都市マンダレーで治安部隊と民主派が衝突、銃撃戦が発生した22日、「人民防衛隊(People's Defense Force)」と呼ばれる民主派の抵抗勢力の兵士らは声明を発表した。
「我々は宣戦布告した。待ち望んだ日がついにやって来た」と人民防衛隊の広報担当であるBo Tun Tauk Naing氏は22日、マンダレーで語った。現地メディア「Myanmar Now」が報じた。
Myanmar Nowによると、民兵組織が都市部で国軍と銃撃戦になったのはこれが初めてだという。
街をパトロールする国軍側と民主派勢力の間で衝突が起きたのは、国軍側が武装組織の拠点となっているのではないかと疑っていたアパート付近だったと、CNNは報じている。
ミャンマーでは、2月1日の軍事クーデターで暫定政権が国の支配権を握って以来、激しい暴力が続いていて、民主化の指導者アウン・サン・スー・チー氏や当時大統領だったウィン・ミン氏といったミャンマーの主要政治家たちは身柄を拘束された。
スー・チー氏は現在、複数の容疑で裁判にかけられていて、暫定政権の支援を受けているミャンマーの選挙管理委員会は、スー・チー氏率いる国民民主連盟(NLD)を「裏切り者」と呼び、解党する方針を明らかにしている。
クーデターから数週間後、平和的な抗議活動や市民による大規模デモは急速に激しさを増した。3月27日の国軍記念日には抗議活動に参加した多くの市民が命を落とし、暴力は最高潮に達したと思われた。
ところが、6月22日に銃撃戦が発生し、人民防衛隊が宣戦布告したことで、ミャンマーの主要都市は"暴力の変化"に備えなければならないのかもしれない。
ANI Newsの報道によると、民兵組織は、22日以前は攻撃の大半を国境地帯の人里離れた地域に集中させていたという。ところが、人里離れた山間部では反政府組織の訓練を受ける若い活動家が増えていて、彼らは地元の町や市に戻って、都市部での衝突に備えているようだと、オーストラリア放送協会は伝えている。こうした若者たちは、50万人の兵士がいるというミャンマー国軍の圧倒的な力と戦うために、反乱戦法を取る可能性もあると、ニューヨーク・タイムズは報じている。
暴力は今後数週間で一気にエスカレートする恐れもある。Nikkei Asiaは国軍側が22日、人民防衛隊に対してロシア製のロケットランチャーを使用したと報じた。
(翻訳、編集:山口佳美)