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「第3の人類」の化石を発見、現生人類やネアンデルタール人と交流も

ネシェル・ラムラ・ホモと名付けられた人類の祖先の頭蓋骨と顎の骨の一部。

ネシェル・ラムラ・ホモと名付けられた人類の祖先の頭蓋骨と顎の骨の一部。

Avi Levin and Ilan Theiler/Sackler Faculty of Medicine, Tel Aviv University

  • イスラエルでこれまで知られていなかった人類の祖先の骨が見つかり、ネシェル・ラムラ・ホモと名付けられた。
  • この祖先は、14万年前から12万年前にかけて、イスラエルやアラビアでホモ・サピエンスなどと同時期に暮らしていた。
  • 新たな研究によると、ネシェル・ラムラ・ホモはホモ・サピエンスやネアンデルタール人と交雑していたことが示唆されている。

今から12万年前、東地中海沿岸地方はにぎやかだったようだ。

その頃、解剖学的には現生人類と同じホモ・サピエンスが、アフリカから移動し、現代のイスラエルやアラビアに定住していた。一方、遺伝子的には現生人類のいとこにあたるネアンデルタール人は、ユーラシア大陸で繁栄し始めていた。

さらに、彼らの居住地と同じ場所で、もう一つの人類の祖先も狩猟や採集を行っていたことが新たな研究で明らかになった。6月25日付けで『Science』誌に掲載された2つ論文では、これまで知られていなかった「ネシェル・ラムラ・ホモ(Nesher Ramla homo)」と名付けられたヒト属について説明されている。この集団は、近隣に住む種と道具や技術を共有していただけでなく、交雑もしていたという。

テルアビブ大学の人類学者で、今回の論文の共著者であるレイチェル・サリッグ(Rachel Sarig)は「彼らは共同生活を行い、他の種族との交流もあった」とInsiderに語っている。

ネシェル・ラムラ・ホモの下顎骨を復元したもの。

ネシェル・ラムラ・ホモの下顎骨を復元したもの。

Ariel Pokhojaev/Sackler Faculty of Medicine, Tel Aviv University

サリッグらは、イスラエルのネシェル・ラムラにある深い陥没穴から顎の骨の破片17個を発掘し、パズルのように組み合わせて復元した。この発掘場所の地名が、祖先の名前の由来となった。また、同じ人物の頭蓋骨の一部と歯も見つかった。

注目すべきは、このネシェル・ラムラ・ホモにはホモ・サピエンス特有の顎がなく、頭は平らでずんぐりとしていたことだ。これらの特徴は、彼らがこの地域に暮らしていた他の種よりも古いことを示唆している。

「これはネアンデルタール人よりも以前の種だろう」とサリッグは述べている。

研究チームは、この骨がホモ・サピエンスのものだと予測していた。というのも、サリッグによると10万年前から20万年前まで「レバント地方(東地中海沿岸地方を指す歴史的な名称)ではホモ・サピエンスが主流だった」からだ。しかし「我々はこの化石を見て非常に驚いた。これまでの種と同じではないことがすぐに分かった」

石灰岩採掘場で見つかった巨大な穴

エルサレムの西にあるネシェル・ラムラの発掘サイト。

エルサレムの西にあるネシェル・ラムラの発掘サイト。

Yossi Zaidner

今回の発見には、10年の歳月を要した。2011年、イスラエルのエルサレムの西、地中海沿岸近くのラムラで、作業員が石灰石の採掘場を拡張していたところ、巨大な穴を発見した。

サリッグの研究チームは、堆積物を深さ約8メートルほど掘り進めたところで、動物の歯や骨、火打ち石、そしてネシェル・ラムラの骨を発見した。彼らは、この陥没穴が古代の水場であり、動物が水を飲みに来たり、我々の祖先が獲物の解体のために集まったりしたのではないかと考えている。

分析の結果、動物の歯と火打ち石は12万年から14万年前のものであり、ネシェル・ラムラ・ホモもその頃に生きていたと考えられる。しかし、論文の共同執筆者であるハイラ・メイ(Hila May)は、この先史時代の人類がこの地域に住み始めたのは、50万年前に遡る可能性があるとInsiderに語っている。

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