ホテルグランドパレスが営業終了。49年の歴史で愛された名物料理は(写真)

49年の歴史に幕を閉じるホテルグランドパレス。

49年の歴史に幕を閉じるホテルグランドパレス。

撮影:吉川慧

東京・千代田区のシティホテル「ホテルグランドパレス」が6月30日、49年間の歴史に幕を閉じる。

1972年2月、丸の内のパレスホテル(現パレスホテル東京)の姉妹ホテルとして開業。所在地は千代田区飯田橋1丁目だが、最寄りは地下鉄九段下駅だった。皇居にもほど近く、周囲には北の丸公園や日本武道館、靖国神社などがある。

地上24階・地下5階、客室数は458室で収容人数は820名。7つの直営レストランやバーのほか20室の宴会場を誇った。これまでに数々の記者会見や、プロ野球のドラフト会議、大相撲の優勝力士の祝賀パーティも開かれた。

ただ、コロナ禍の影響で宿泊客の大部分を占めていたインバウンド需要が蒸発。国内客の旅行需要も激減し、2020年の売り上げは前年比で7割減に。加えて施設の老朽化もあり、創業50年の節目を目前にしながらの営業終了となった。

2月に総支配人名で出した営業終了のお知らせは、「過去に類を見ない経営環境に陥っていること」を理由に挙げている。

1973年「金大中事件」の現場

故郷の木浦で支持者に手を振る金大中氏(1987年9月)

故郷の木浦で支持者に手を振る金大中氏(1987年9月)。

REUTERS

グランドパレスといえば、戦後史の舞台の一つとなった場所である。

開業間もない1973年8月8日の昼過ぎ、グランドパレスに滞在中だった韓国の民主化運動の指導者で元大統領候補だった金大中氏が何者かに拉致された。世に言う「金大中事件」だ。

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