競合と差別化するCX(カスタマーエクスペリエンス)。うまくいかない企業の特徴は?

カスタマーエクスペリエンス(CX)は非常に重要であるにもかかわらず、必ずしも全ての企業が良いCXを提供できていない。だからこそ、これを強化することで競合との差別化を図れる。時として、企業は自らの足を引っ張ることがある。典型的なのが、製品やチャネルごとの縦割り構造がCX改善に不可欠な連携や再編成を妨げている例だ。

アンケート1

アメリカの消費者が商品やサービスをリピートする際に、どの程度CXを重視するのか。業種ごとにその度合いを調べたアンケート。

Business Insider Intelligence

CXの価値に対する理解が進んでいない業界もある。総合不動産サービス会社クッシュマン・アンド・ウェイクフィールド(Cushman & Wakefield)のチーフ・エクスペリエンス・オフィサー、スザンヌ・メータ(Suzanne Mehta)氏は次のように語っている。

「私が働いている業界では、理解が浸透しているとは言えません。以前は存在しなかったポジションに就任して3年になります。CXについてよく理解している顧客もたくさんいますが、なかには言葉を尽くして説明しなければならないクライアントもいます」

CXの重要性を理解している企業の共通点として、メータ氏が気づいた特徴がある。CXチームがCFOではなく人事部に報告を上げているというのだ。注目すべきポイントは、財務部門の管轄下では、CXチームの仕事が十分に評価されない傾向があることだ。

メディアエージェンシーのスターコム・ワールドワイド(Starcom Worldwide)のグローバル・チーフ・エクスペリエンス・オフィサーであるボブ・ブレア(Bohb Blair)氏は、部門や職能上の枠を超えたチーム編成と予算の確保がCXの成功にとって重要だという。

「さまざまな部門や予算の枠を超えて、仕事をする必要があります。そのような体制をすぐに整えることができ、うまくいっている組織もあれば、なかなか実現できず苦戦している組織もあります」

アンケート2

パーソナライズされたCXの提供が可能かどうかを企業のCX担当者に尋ねたアンケート。2020年にパーソナライゼーションが強化されたことがわかる。

Business Insider Intelligence

米国医師会(American Medical Association)のチーフ・エクスペリエンス・オフィサーであるトッド・アンガー(Todd Unger)氏は、こう述べている。

「CXを構成する諸要素は、縦割り構造のなかでいくつもの部門の管轄下に散在している場合が多く、それらを俯瞰し統合する責任者がいません。デジタル化が進んだいまの時代においては、新しいパラダイムを理解し、部門間のオーケストレーションを主導できる、権限を持ったリーダーが必要です」

シームレスなCXを実現するため、組織のなかで必要な権限を与えられている自分は幸運だというアンガー氏。彼は多くのCXリーダーは、同じように恵まれた環境に置かれていない指摘する。

「大概の場合、部門間の連携が取れていません。あるいは、CXチームが指揮系統の外に置かれています」

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[原文:Excellent CX requires proper organizational structure and team setup

(翻訳・野澤朋代)

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