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- ピンタレストは7月1日から痩せることに関する言葉や画像を使用した広告をすべて禁止している。
- 大手SNSプラットフォームでダイエット関連の広告を禁止するのは、同社が初めてだ。
- 禁止事項には、ダイエット製品を使用した体験談やBMIに言及した広告など、さまざまなことが盛り込まれている。
ピンタレスト(Pinterest)は、痩せることに関連するすべての広告を禁止している。新型コロナウイルスのパンデミックが始まって以来、ようやく定期的に外出できるようになり、人々の自らのボディイメージに対する関心が高まっているからだ。
「世界中で、あらゆる年齢層の人々が、ボディイメージやメンタルヘルスに関する悩みを抱えている。特にパンデミックから抜け出して夏を迎えようとしている今は、なおさらそのような人が多い」と同社は2021年7月1日のプレスリリースで述べている。
「多くの人が、15カ月ぶりに人との交流を再開するにあたって、さらなるプレッシャーを感じている」
ピンタレストは、7月1日に広告ポリシーを更新し、痩身に関連する言葉やイメージを使用した広告をすべて禁止した。ダイエット関連の広告を禁止する大手のソーシャルプラットフォームは、同社が初めてとなる。
今回の更新でピンタレストは、痩身効果を謳ったり、ダイエット製品を使用した体験談を掲載したりすることや、「特定の体型を理想化したり否定したりする」表現や画像の使用を禁止することになった。また、BMI(ボディマス指数)に言及した広告や、何かを着たり、肌に塗ったりすることで体重を減らすことができると謳う広告も禁止となる。
全米摂食障害協会(National Eating Disorders Association:NEDA)が、このポリシーの更新についてアドバイスしている。同協会(National Eating Disorders Association:NEDA)の暫定CEO、エリザベス・トンプソン(Elizabeth Thompson)は声明の中で次のように述べた。
「今回ピンタレストが、ユーザーの中でも特にダイエット文化、ボディシェイミング、摂食障害の影響を受けている人々のメンタルヘルスと幸福を優先するために必要なステップを踏み出したことを心強く思う。このグローバルポリシーによって、他の組織や企業が、有害な可能性のある広告メッセージについて考え、意味のある変化をもたらす独自の方針を確立するきっかけになることを期待している」
このポリシー改定は、ピンタレストのユーザーが過去1年の間にボディ・アクセプタンス(ありのままの体型を受け入れること)に関心を持ったことを示している。同社の発表によると、ピンタレストでは「body neutrality(身体機能に注目すること)」と「stop body shaming quotes(ボディシェイミングをやめるための言葉)」の検索数が過去1年間で5倍に跳ね上がったという。2020年の5月と2021年の5月を比較すると、「body acceptance quotes(ボディアクセプタンスの言葉)」の検索数は7倍、「self-love illustration art(自分を愛するためのイラスト)」の検索数は63倍に急増した。
ピンタレストは、減量に焦点を当てていないのであれば「健康的なライフスタイルや習慣、フィットネスのためのサービスや製品」の広告を引き続き許可するとしている。
また同社は、他社にも同様の措置を取るように呼びかけている。
「この業界の他の企業にも、同じようにしてもらい、ひとつのやり方がどんな場合にもうまくいくわけではないということを認めてほしいと思う」
TikTokは2020年、減量サプリや断食のためのアプリの広告を禁止すると発表した。2019年にはインスタグラム(Instagram)が、ダイエット製品や美容整形を宣伝する投稿から未成年者を守るために規制を加えている。
[原文:Pinterest is banning all weight loss ads and images, becoming the first major tech platform to do so]
(翻訳:仲田文子、編集:Toshihiko Inoue)