鳴り物入りで日本上陸を果たした音声SNS「クラブハウス(Clubhouse)」だが……。
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音声SNS「クラブハウス(Clubhouse)」の月間ダウンロード数が「凋落」とも言える数カ月間をへて、再び増加に転じた。待望のAndroid版リリースが寄与した。
米調査会社センサータワー(Sensor Tower)のデータによれば、Android版とiOS版を合計した6月のアプリダウンロード数は約780万回、前月比で倍増した。
2020年4月にサービスインしたクラブハウスは、ライブオーディオ配信を楽しめる音声SNSアプリ。
新型コロナ感染拡大による行動制限が長期化するなか、在宅のまま自由参加でテスラ(Tesla)のイーロン・マスクやフェイスブック(Facebook)のマーク・ザッカーバーグなど著名人のライブトークが聴けるとあって、一気に有名になった。
しかし、ここ最近は低迷ムードで、ダウンロード数の急激な減少が続いていた。
先述のセンサータワー調査によると、iOS版の6月のダウンロード数は72万3000回から88万回へと、4カ月ぶりに増加を記録した。
さらに、5月にようやくリリースされたAndroid版はそれ以上の結果を残した。同月のGoogle Play経由のダウンロード数は300万回、続く6月には690万回と大きな伸びを見せた。
それでも、サービス開始後の月間ダウンロード数の最高記録、2021年2月の960万回には届かなかった。
音声SNSアプリ「クラブハウス(Clubhouse)のダウンロード数の推移。
Sensor Tower/Insider
クラブハウスはサービス開始から1年超の間に、ベンチャーキャピタル(VC)大手のアンドリーセン・ホロウィッツ、ヘッジファンド運用のタイガー・グローバル・マネジメント、香港のベンチャーキャピタル・DSTグローバルなどからそれぞれ数億ドルの資金を調達。
現時点の評価額は40億ドル(約4400億円)と報じられている。
クラブハウスの「ロケットスタート」を見たフェイスブック、ツイッター(Twitter)、スラック(Slack)など大手テック企業がここ数カ月の間にライブオーディオ機能を追加し、市場における競争は激化しつつある。
また、パンデミック下の行動制限も徐々に解除されており、在宅ユーザーからの「特需」も薄れていく可能性がある。
クラブハウスは間もなく、他の競合との差別化をはかり、成長を続ける力を見せつける必要に迫られるはずだ。新たな成長の起爆剤としては、例えば、招待制の撤廃があげられるだろう。
[原文:Clubhouse's June downloads surged to its second-highest level ever thanks to its move to Android]
(翻訳・編集:川村力)