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就活セクハラ対策している職場は6%、被害学生からは「入社が怖い」の声

採用担当者が就活中の女子学生にセクハラ行為を行なっていたとして、近鉄グループホールディングスの採用担当者が懲戒解雇になるなど、就活生へのハラスメント被害が後を絶たない。そんな中、就活生など求職者へのハラスメント対策を実施している職場はわずか6%という驚きの調査結果が報告された。

パワハラ防止法から1年

就活

コロナ禍で就活の形も変わりつつあるが、セクハラ被害は変わらず続いている(写真はイメージです)。

撮影:今村拓馬

改正労働施策総合推進法(パワハラ防止対策義務化)が施行されたのは、2020年6月。同時に職場でのセクシュアルハラスメントや妊娠・出産・育児休業等に関するハラスメント(マタハラ)の防止対策も強化され、大企業はこれらのハラスメントへの対策を取ることが義務付けられ、中小企業にも努力義務が課された。

雇用関係にない就活生は保護の対象にはならなかったものの、企業が取ることが「望ましい取り組み」として、就活生へのハラスメントを行なってはならないと労働者に周知。就活生などから相談があった場合には適切な対応を取るよう努めることが示され、OB・OG訪問などでのルールをあらかじめ定めることが推奨されている。

法改正から1年の節目に、日本労働組合総連合会(連合)は全国の20~59歳の労働者(起業家や経営者、自営業者などを除く)を対象にインターネットでの調査を行なった(調査期間:2021年6月)。

ハラスメント対策「特になし」が4割超

ハラスメント

出典:仕事の世界におけるハラスメントに関する実態調査2021(連合)

それによると、自身の職場で「ハラスメントの内容が明確化されている」のは、パワハラ18%、セクハラ15%、マタハラ10%だった(小数点以下切り捨て)。

また「ハラスメント防止の方針がある」のは、パワハラとセクハラが3%、マタハラは2%

「ハラスメントを 行った者への対処方針・ 対処の内容が規定されている」のは、パワハラ6%、セクハラ5%、マタハラ3%だった。

こうした自身の職場でのハラスメント内容や方針の明確化、周知・啓発について最も多かった回答は「特になし」で、パワハラ、セクハラ、マタハラ共に40%を超える結果に。

相談窓口の設置も2割以下

オフィス街

ハラスメント被害にあっても、相談できない人も多い(写真はイメージです)。

GettyImages / monzenmachi

相談窓口についても「設置されている」のは、パワハラ20%、セクハラ19%、マタハラ13%だった。

こうした結果を踏まえ、調査を行なった連合は、

「上記はいずれもハラスメント対策関連法で定められた措置義務であり、法律がまだ浸透していないといえるのではないか」

と懸念を示している。

実際に、今回の調査で「職場でハラスメント被害を受けたことがある」と回答した人(324人)のうち、「職場の窓口」に相談したのは3%、「人事担当者」は8%にとどまった。

一方で「誰にも相談しなかった」人の割合は43%にのぼり、その理由として最も多かったのは「相談しても無駄だと思ったから」が66%。次いで「相談するとまた不快な思いをすると思ったから」が26%だった。

就活セクハラ対策実施はわずか6%

オフィス街

GettyImages / ZhangXun

法律で定められている義務についても、低い実施率であることが明らかになった今回の調査。

望ましい取り組みとして示されていた「就活生など求職者に対するハラスメント規定」については「ある」と回答したのはわずか6%。「ない」39%、「分からない」53%だった。

厚生労働省の調査では4人に1人が就職活動中にセクハラ被害にあったことが分かっており、最近では近鉄グループホールディングスの採用担当者が、就職活動中だった女子学生に対しエントリーシートの添削を口実に性行為を迫るなどして懲戒解雇されたことも大きく報道された。

Business Insider Japanのアンケート調査でも、ハラスメント関連法施行以降も就活セクハラに関する被害の声が寄せられている。

彼氏の有無を質問、愛人関係を強要も

就活

撮影:今村拓馬

「OB訪問でホテルに連れて行かれた。告白されて付き合えないと断ると、愛人関係を強要された」(20〜24歳、女性、学生)

「OB訪問をした相手との飲みの場で、胸を触られたりキスをされそうになった。入社が怖い。『笑顔で黙り続ける』か、『声を上げて職場での立ち位置に支障が出るか』なら前者を取るしかない」(20〜24歳、女性、学生)

「面接中に『彼氏はいるのか』『告白したことはあるのか』など就活に関係のないことを聞かれた。採用担当者が大学OBだったことや、自分が二度と同じ業界で就活できなくなるのではないかという恐怖から誰にも相談できなかった」(10代、女子、学生)

就活生も保護の対象に含めるよう法改正が必要なのはもちろん、企業、大学、就活関連産業はハラスメント被害対策を徹底するべきだろう。

被害にあった就活生の相談は、各地域の労働局で受け付けている他、日本労働弁護団の電話相談、また東京都では「就活ハラスメントLINE相談窓口」が設置されている。

(文・竹下郁子

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