噴火の数日前に撮られたタール火山の噴火口(2021年6月24日)。
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- フィリピンのタール火山が周辺地域を煙と灰で飲み込もうとしている。
- 当局は、近隣住民1万4000人以上を避難させた。
- 2020年の噴火では39人が死亡、数十万人が住む家を失った。
フィリピンの首都マニラ近郊にあるタール火山の活動が活発になっていることを受け、現地では近隣住民1万4000人以上が避難している。当局は2020年1月の噴火と同様の甚大な被害が出るのではないかと恐れている。
フィリピン火山地震研究所(PHIVOLCS)は7月1日、タール火山が高さ約1キロに及ぶ噴煙を吐き出したことを受け、その噴火警戒レベルを「3」に引き上げた。
PHIVOLCSによると、1日夜には4回の比較的小さな爆発があったという。
現地当局によると、これまでにバタンガス州から3500世帯、1万4000人以上が避難しているという。
PHIVOLCSが1日に撮影した動画は、噴火口から噴煙が上がる様子を捉えている。
このような爆発は灰や火山岩塊を空高く飛ばし、それらは周辺地域に降り注ぐことになる。これが2020年の噴火でバタンガス州が受けた主な被害の1つだ。
ロイターによると、当局は2020年よりも危険な噴火が起こる可能性があるとしている。
噴火警戒レベル「4」で発生した2020年1月の噴火では、大量の灰やがれきが高さ15キロメートルまで舞い上がり、火山雷も発生した。39人が死亡し、数十万人が住む家を失った。
噴火から約1年後の被災地の様子(2021年1月10日、バタンガス州)。
Aaron Favila/Associated Press
タール火山の噴火で死亡者が出たのは、2020年が初めてではない。1911年の噴火では、1300人以上が死亡した。
InsiderはPHIVOLCSにコメントを求めたが、回答は得られなかった。
(翻訳、編集:山口佳美)