アマゾンの前CEO、ジェフ・ベゾス。
Isaiah J. Downing/Reuters
- ジェフ・ベゾスは、アマゾンのCEOを退任しても、ペースダウンすることはないだろう。
- ビリオネアであるベゾスは、乗馬旅行や海洋探検といった冒険を、長年にわたって愛してきた。
- 彼の次の冒険は、ブルーオリジンのロケットに乗って宇宙の果てまで行くことだ。
ジェフ・ベゾス(Jeff Bezos)はアマゾン(Amazon)のCEOを退いたが、これまでの歴史を振り返ると、彼がすぐにペースダウンすることはないだろう。
57歳のベゾスは、一風変わった冒険が好きで、何日もかけて馬に乗ったり、海底に行ったりするという趣味がある。次の冒険では、地球の重力の及ばないところまで行くことになっている。2021年7月20日、彼は弟や他の2人の乗客とともに、ブルーオリジン(Blue Origin)のロケットに乗って11分間の宇宙旅行に出かけるのだ。
宇宙への旅は、ベゾスが長年にわたって時間と資金を費やしてきたプロジェクトの中で最も新しく、間違いなく桁外れのなものとなる。
ベゾスが行ってきた冒険をいくつか紹介しよう。
馬に乗ってテキサス州西部を約80km走った
ベゾスは父のマイク(Mike)、弟のマーク(Mark)とともに、馬に乗って約80kmを走った。
「3日間、本当に楽しかった。そして、お尻が痛かった」と、ベゾスは2017年に開催されたサミット・リーダーシップイベントでのマークとのトークセッションで語っている。
マークは、旅行中に地面に置いた寝袋で寝ている兄の写真を公開した。気温が低いため、枕には霜が降りているが、ベゾスの体温で頭の周りにだけは霜がない様子が写っている。
「こんな時に哺乳類でよかったと思う」とベゾスは述べた。
アポロ11号の破片を回収するために海の底へ潜った
人類初の月面着陸を果たした宇宙船アポロ11号のエンジンの破片を回収するために、ベゾスは2013年、弟や義弟、両親とともに、30日にわたって海で過ごした。
「すばらしい彫刻の庭のような海底のワンダーランドを見ることができた。そこに沈んでいたF-1エンジンはねじ曲がり、熱く激しい最期を迎えたことを物語っていた。アポロ計画の証だ」とベゾスはその体験について記している。
ベゾスはずっとアポロ11号に情熱を傾けており、自分の宇宙旅行も7月20日という象徴的な日に合わせて決行する。1969年のこの日、ニール・アームストロング(Neil Armstrong)とバズ・オルドリン(Buzz Aldrin)が月面に降り立ったのだ。
アマゾンの風力発電機の頂上に登った
2017年、ベゾスはアマゾンの風力発電所の開設を記念して、インスタグラム(Instagram)で動画を公開した。ハーネスとヘルメットだけを装備したベゾスは、タービンの上に立ち、シャンパンのボトルを叩き割った。
「アマゾン最新の風力発電所の開設を祝う、楽しい1日となった」と彼は書いている。
洞窟探検にも行った
2017年、弟のマークは、ベゾスが地下数百メートルの洞窟に懸垂降下している写真を公開した。
義兄のスティーブ(Steve)、ベゾスの現在の元妻であるマッケンジー・スコット(MacKenzie Scott)や友人とともに、2人の兄弟は石筍に囲まれた地底で集合写真を撮った。
「すばらしい旅だった」とベゾスは語った。
「あそこでは携帯電話をチェックする必要がないんだ。電波の届かない場所だからね」
北極で犬ぞりをした
2018年のアースデイを記念して、ベゾスは6頭の犬に引かれて北極の雪の森を進む動画を公開した。
「ノルウェー北部の北極圏で犬ぞりを走らせている」とベゾスは書いている。
「アポロの宇宙飛行士ジム・ラヴェル(Jim Lovell)は、死んだら天国に行くのではなく、生まれたら天国に行くと言っている。地球は太陽系の中で最高の惑星だ。圧倒的に。我々は地球を救うために宇宙に行くのだ」
もうすぐ初めて宇宙へ
ベゾスは7月20日、ブルーオリジンの宇宙船「ニューシェパード」に搭乗する最初の乗客の1人となる。
ベゾスの他には、弟のマーク、6月のオークションで座席に2800万ドル(約31億円)の落札価格をつけた乗客、そして、1960年代に宇宙へ行くための訓練を受けたものの、女性であることを理由に最終的にその機会を与えられなかった82歳の飛行士、ウォーリー・ファンク(Wally Funk)が搭乗する。
「私がこの宇宙船に搭乗したいのは、ずっとやりたいと思っていたことだからだ」とベゾスはインスタグラムに投稿した動画で述べている。
「それは冒険であり、私にとって大きな意味がある」
(翻訳:仲田文子、編集:Toshihiko Inoue)