ニューヨークのバッテリーパークで花火を楽しむ人々(1986年7月4日)。
Robin Graubard/AP
- 多くのアメリカ人にとって、7月4日の独立記念日は家族や友人と一緒に食事を楽しんだり、のんびりと過ごす日だ。
- アメリカ人であっても、独立記念日の伝統にまつわる事実をよく知らない人も多い。
- 例えば、アメリカでは毎年7月4日に1億5000万個のホットドッグが消費されている。
厳密に言えば、独立記念日は7月2日に祝うべき
独立記念日を祝う花火(1961年7月4日、ワシントンD.C.)。
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アメリカ国立公文書館によると、大陸会議が実際に独立決議案を可決したのは1776年7月2日だ。そして「独立宣言」という形で採択したのは7月4日だが、8月2日まで署名されなかった。
ジョージ・ワシントンは1778年、兵士に通常の2倍の量のラム酒を配ってアメリカの独立を祝ったとされている
ヒストリーチャンネルによると、独立宣言が署名されるまでアメリカの植民地に住む人々は「鐘を鳴らしたり、かがり火をたいたり、行進をしたり、演説をする」などして王の誕生日を祝っていた。1776年の夏には新たな自由を祝うため、一部の人々がジョージ3世の見せかけの葬儀を行った。
大統領を務めたジョン・アダムズ、トーマス・ジェファーソン、ジェームズ・モンローはいずれも7月4日に亡くなっている
ホワイトハウス。
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アメリカ建国の父でもあるジョン・アダムズとトーマス・ジェファーソンはともに1826年7月4日に亡くなった。その5年後の1831年7月4日には、ジェームズ・モンローがこの世を去った。
1776年7月4日に独立したばかりのアメリカには、250万人が暮らしていた
ペンシルベニア州フィラデルフィアにある独立記念館。
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アメリカ国勢調査局によると、独立当時、13州の中で最も人口が多かったのは43万4373人のペンシルベニア州だった。一方、最も人口が少なかったのは5万9094人のデラウェア州だった。
ただし、これらの数字は推計だ。アメリカでは1790年まで公式の国勢調査は実施されていなかった。
独立記念日は1870年まで連邦政府が定める祝日ではなかった
独立記念日を祝う子どもたち(1976年7月4日)。
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独立記念日を祝うのは、米英戦争(1812~1814年)の後まで一般的ではなかった。その後、1870年代までに7月4日はアメリカで最も重要な宗教とは無関係の祝日の1つになった。
連邦政府の職員にとって、有給の祝日になったのは1941年だ。
アメリカ最古の独立記念日のパレードはロードアイランド州ブリストルで行われたもので、町の独立記念日のお祭りは1785年に始まった
ロードアイランド州ブリストルで行われた独立記念日のパレート(1996年)。
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ロードアイランド州ブリストル出身の歴史家リチャード・V・シンプソン(Richard V. Simpson)は、1785年の最初のお祭りは20人ほどが参加した小規模なものだったとMental Flossに語っている。
今では、ブリストルの独立記念日のお祭りはフラッグ・デー(6月14日)の地元のイベントに始まり、独立記念日のパレードまで続く。パレードの長さは2.5マイル(約4キロ)に及ぶ。
1934年7月4日、ハンガリー生まれのアメリカ人物理学者レオ・シラードが原爆の特許を出願
アメリカ初の核実験(1945年)。
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1934年7月4日、レオ・シラードは原爆の特許を出願した。
星条旗の服などを身に付けるのは、実は連邦国旗法のガイドラインに違反している
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ファッション業界はシンボルやデザインを再現して成長してきた。そして、星条旗がさまざまな国の国旗同様、政治、愛国心、誇りを伝える力強い象徴であることは間違いない。
一方で、アメリカでは国旗がどのように掲揚、使用されるべきかのガイドラインを定めた連邦国旗法が1942年に制定されている。雑誌『スミソニアン』によると、連邦国旗法はもともとナチスを連想させるような形で国旗が扱われるのを恐れたことがきっかけで制定されたという。ガイドラインの1つに「国旗を衣服や寝具、カーテンとして使ってはならない」とある。
ただ、連邦国旗法に法的拘束力はない。アメリカ上院司法委員会によると「連邦国旗法は違反した場合の罰則を規定しておらず、実施規定もない」という。
アメリカの連邦祝日の中で、独立記念日はビールが一番売れる日
Gene J. Puskar/AP
アメリカの業界団体National Beer Wholesalers Associationの2016年の報告書によると、7月4日の独立記念日の次にビールが売れるのは5月のメモリアル・デー(戦没将兵追悼記念日)で、その次は9月のレイバー・デー(労働者の日)だという。
アメリカでは毎年7月4日に1億5000万個のホットドッグが消費されている —— これを一直線に並べると、ワシントンD.C.とロサンゼルスを2往復半以上できる
7月のホットドッグ月間を祝う子どもたち(1959年、シカゴ)。
Edward Kitch/AP
全米ホットドッグ・ソーセージ評議会(NHDSC)によると、アメリカ人は独立記念日に1億5000万個のホットドッグを消費するという。アメリカではホットドッグ月間にもあたる7月の売り上げが、ホットドッグの年間売り上げの10%を占めるという。
アイスクリームのレシピを書いた初めてのアメリカ人は、建国の父トーマス・ジェファーソンとされている
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トーマス・ジェファーソン財団によると、独立宣言を起草し、のちに第3代アメリカ合衆国大統領を務めたジェファーソンは、1784年から1789年の間にフランスを旅した際、初めてアイスクリームと出会った可能性が高い。
ジェファーソンの在任中にアイスクリーム人気が高まったのは、ジェファーソンが大統領公邸でしばしばアイスクリームを出したからだという。
2020年の独立記念日には、花火関連で18人が死亡した(労災を除く)
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アメリカの消費者製品安全委員会は、花火による負傷者の15%は目を負傷したと報告していて、最悪の場合、失明したり、重度の眼球損傷を負うケースもあったという。
2020年の独立記念日に花火関連で負傷した人の18%は、15歳以下の子どもだった
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アメリカ消費者製品安全委員会が2021年に公表した報告書によると、花火関連の負傷で一番多かったのは「手・指」だった。
救急救命室で処置を受けた怪我の44%はやけどで、手や指、足、腕のやけどが多かったという。
花火と言えば… アメリカ人が2019年に購入した花火の量は2億7300万ポンド(約12万4000トン)だった
Julio Cortez/AP
アメリカ煙火協会のデータによると、2019年は一般消費者向けの花火の売り上げが初めて10億ドルに達した年だった。2020年にはさらに売り上げが伸び、19億ドルに達した。
アメリカには「リバティー(自由)」という単語がその名前に使われている郡、遺跡や公園といった場所が33ある
ペンシルベニア州フィラデルフィアにある「リバティー・ベル(自由の鐘)」。
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アメリカ国勢調査局によると、2016年の時点でアメリカには「リバティー(自由)」という単語がその名前に使われている郡、遺跡や公園といった場所が33あった。このうち4つが郡の名前で、テキサス州、ジョージア州、フロリダ州、モンタナ州にそれぞれ1つずつあった。
[原文:16 facts about the Fourth of July you've never heard before]
(翻訳、編集:山口佳美)
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