ビヨンド・ミートを使ったビーガン・チキン・バーガー。
Beyond Meat
- ビヨンド・ミートが植物由来代替肉の新製品、ビーガンの鶏ササミを発表した。
- 養鶏農家は需要に追い付けずにおり、その結果アメリカは鶏肉不足に陥っている。
- レストラン経営者らによると、手羽肉の価格は、過去数年の2倍以上になっているという。
よく行くお店で、鶏手羽肉の値段が上がっていることに気付いたなら、あなたは正しい。アメリカ全土で供給不足状態になっているため、価格が高騰している。
だが、高額な鶏手羽肉の代わりを探している飲食店にとっては、幸運と言えるかもしれない。ビヨンド・ミート(Beyond Meat)が2021年7月8日、最新の代替肉、植物由来の鶏ササミを発表した。同社によると、植物由来のササミはnon-GMO(非遺伝子組み換え作物)のソラマメやエンドウを使って作られている。1食分にタンパク質14グラムを含み、抗生物質やホルモン剤は不使用で、コレステロールはゼロだ。
「このビヨンド・チキン・テンダー(Beyond Chicken Tenders)は我々が卓越性と成長を絶えず追及してきた結果であり、家禽市場に革新をもたらすだろう」とビヨンドのチーフ・イノベーション・オフィサー、ダリウシュ・アジャミ(Dariush Ajami)はプレスリリースで述べた。
「すべての製品同様、ビヨンド・チキン・テンダーは、おいしさと格別の食体験とともに高い栄養価をお届けする」
このササミはまだ市販はされておらず、アメリカ国内400カ所のレストランでのみ食べることができる。今回は、これまで発売された製品に比べ明らかに小規模な展開だ。過去には、ダンキン(Dunkin’)の数千店舗で発売という例もあった。4月時点で、ビヨンド製品は約3万9000の食品店で購入することができる、と同社は述べている。
鶏肉の価格は、ここしばらく上がり続けている。アメリカ農務省(USDA)とJPモルガン(JPMorgan)のデータによると、鶏肉の平均価格は昨年に比べて約80%アップとなっており、ササミも倍以上の価格で売れている状態。レストラン経営者らは、手羽肉の価格も倍になっていると述べている。
アメリカ中がそうであるように、養鶏農家もまた、従業員の確保に苦戦している。働き手が少なければ、鶏の加工をして顧客の要望に応えることが難しくなる。
ビヨンドは、この新たなササミのレストランへの卸売価格を明らかにしていない。だが、シカゴのあるレストランの店主はフォーチュン(Fortune)に対し、ササミ3本を8.99ドル(約990円)で販売する予定であると語っている。
(翻訳:Ito Yasuko、編集:Toshihiko Inoue)