2021年上半期は新規株式公開(IPO)が相次いだ。写真はセンティネルワン(SentinelOne)の6月30日の上場時の模様。
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2021年は史上最多記録を更新する勢いで新規株式公開(IPO)が行われている。
米調査会社CBインサイツが7月8日に発表したデータによると、2021年の第2四半期末時点で、世界の新規株式公開企業数は503社に達し、すでに2020年通期の672社が迫る勢いだ。
なお、2020年は新型コロナの世界的大流行をものともせず、新規株式公開の史上最多を更新した年だった。
2021年第2四半期(4〜6月)だけで前期比26%増、(四半期の)最多記録となるスタートアップ280社が上場を果たした。
ただし、手放しで喜べない事例もある。
中国の配車サービス最大手ディディ(DiDi、滴滴出行)は6月30日に新規株式公開を果たしたものの、7月4日に中国のサイバースペース規制当局が同サービスアプリの新規ダウンロードを突如禁止。株価が急落した。
中国当局の動きは、ディディのニューヨーク証券取引所(NYSE)上場にからんだものでは、との憶測も広がっている。
他の案件については、ひとまずそうしたトラブルはなく取り引きが行われている。
以下に、CBインサイツによる公開時の評価額トップ8社を示しておこう(1ドル=110円で換算、10億円以下は四捨五入)
- コインベース(Coinbase):653億ドル(約7兆1800億円)暗号資産交換
- ユーアイパス(UiPath):291億ドル(約3兆2000億円)ロボティクス・プロセス・オートメーション(RPA)プラットフォーム
- アップラビン(AppLovin):286億ドル(約3兆1500億円)モバイルゲーム・アプリ
- 満幇集団(Manbang Group):168億ドル(約1兆8500億円)トラック配車サービス
- マルケタ(Marqeta):143億ドル(約1兆5800億円)決済関連プラットフォーム
- ブライトヘルスケア(Bright HealthCare):134億ドル(約1兆4700億円)健康保険サービス
- オートリー(Oatly):101億ドル(約1兆1100億円)オーツ麦商品
- センチネルワン(SentinelOne):89億ドル(約9800億円)サイバーセキュリティ
[原文:2021 is shattering records for IPOs. Here are the biggest winners]
(翻訳・編集:川村力)