植物由来のビヨンド・ミートを使った、マクドナルドのPLTバーガー。テスト販売を行っているカナダ・オンタリオ州ロンドンの店舗で。
Reuters
- マクドナルドは、植物由来タンパク質を使った商品のオーストラリアでのテスト販売を終了した。
- 同社は、世界中のマーケットで「マックベジー」と「マックプラント」をデビューさせている。
- アメリカで植物由来のメニューが追加される時期についての発表は行われていない。
マクドナルドの植物由来商品は、アメリカを除く世界の多くの国でテスト販売が行われている。
マクドナルドは、植物由来商品への需要が高まる中、オーストラリアでの「マックベジー(McVeggie)」のテスト販売を終了した。パティはオーストラリア産のジャガイモ、エンドウ豆、トウモロコシ、人参、玉ねぎで作られており、レタス、チーズ、ピクルス、マヨネーズとともにバンズに挟んで提供されていた。
同社は1年以上前から植物由来メニューの試験導入を行っている。2019年9月には、カナダの複数の店舗で、植物由来のパテとレタス、トマト入りの「PLTバーガー」のテスト販売を開始し、2020年1月には販売する店舗を拡大した。PLTバーガーは、ダンキン(Dunkin')やTGIフライデーズ(TGI Fridays)などとも提携しているビヨンド・ミート(Beyond Meat)とのパートナーシップで作られている。
マクドナルドはカナダでのテスト販売を終了し、継続の予定もないことから、ビヨンド・ミートの株価が10%下落した。ビヨンド・ミートはその後、マクドナルド、タコベル(Taco Bell)の親会社のヤム・ブランズ(Yum Brands)と複数年契約を結んだことを発表した。
2020年11月には、ハンバーガーやチキンの代替品など、植物由来の肉を使用した「マックプラント(McPlant)」シリーズが発表された。マクドナルド国際事業部門のプレジデント、イアン・ボーデン(Ian Borden)は「実証済みのおいしい商品」と表現した。
「顧客の準備ができたときが、商品の発売準備が整うときだ」とボーデンは述べ、2021年に複数の市場で試験導入することを示唆した。
「マックプラント」はエンドウ豆とコメのタンパク質でできており、2021年にデンマークとスウェーデンでテスト販売が行われている。
バーガーキング(Burger King)、カールスジュニア(Carl's Jr)、シェイクシャック(Shake Shack)などの競合他社はそれぞれ独自の植物性商品を展開しているが、マクドナルドはアメリカでの植物由来商品の展開の予定はない。米マクドナルドの広報担当者は、植物由来商品は顧客の需要がある国でメニューに追加すると、Insiderに語った。「アメリカでの植物由来商品についての新しい情報はない」と、同社は述べている。
だが、いずれはアメリカでも販売されるだろうと期待されている。クリス・ケンプチンスキー(Chris Kempczinski)CEOは、植物由来肉は通常の肉よりずっとコストがかかるが、同社は引き続き植物由来商品の開発へ投資を継続すると、ニューヨーク・タイムズに語っている。
Insiderで以前報じたように、「マックプラント」という名前は、同社がこの商品に将来性を見出していることを示している。マクドナルドの社内マーケティングガイドラインによると、「マック(Mc)」はブランドの価値や独自性を高める商品にのみ付けられる。
「マクドナルドが植物由来商品に取り組むかどうかは問題ではない。いつ取り組むかが重要だ」と、ケンプチンスキーCEOは2020年11月に語っている。
[原文:Why McDonald's hasn't introduced plant-based burgers in the US after launching them around the world]
(翻訳:Makiko Sato、編集:Toshihiko Inoue)