1970年代にNASAのバイキング計画で撮影された100枚以上の写真から作成された火星の画像。
AP
- 2021年7月13日の前後数日、火星と金星がほとんど接触しているように見える。
- 2つの惑星は、かなり頻繁に接近する。最近では2019年にも見られた。
- 次にこれほどの接近が見られるのは2034年だ。
火星と金星が夜空に並び、2021年7月12日から14日にかけて、触れそうなほど接近する。
このように天空で天体が一直線に並ぶ現象を「合(conjunction)」という。
7月は、火星と金星が接近している状態にある。12日の日没後には、月の大きさよりも狭い範囲に2つの惑星が接近して見える。NASAによると、空に向かって手をかざすと、ちょうど指の幅ほどの距離だ。
最も近づいて見えるのは13日の日没後で、その後、2つの惑星はだんだんと離れていく。
日没後すぐに、西の方を見よう
日没の約1時間後、並んだ星を観測することができる。西の空の地平線に近いところ、13日であれば三日月の右下のあたりを探してみよう。双眼鏡や望遠鏡があれば、よりよく見えるだろう。
7月12日の夜空で火星と金星がどれだけ離れているかを示した図。わずか0.5度、人差し指の幅程度だ。
NASA/JPL-Caltech
火星と金星の距離は7440万マイル(1億2000万km)で、地球と太陽の距離とほぼ同じだ。
金星は火星の約190倍の明るさがあり、火星は赤茶色に見えるため、空では2つの惑星を容易に見分けることがでる。幸いなことに、今回、三日月のために、晴れた空であれば、より見やすいだろう。
2034年まで、これほど近づくことはない
NASAの探査機、マゼランとパイオニアが撮影した写真を合成した金星の画像。
NASA/JPL-Caltech
惑星の「合」は珍しいことではない。2020年は、木星と土星が「大接近」し、空の上で二重惑星のように見えるほどだった。この2つの惑星が地球からこれほど接近して見えるのは、1226年3月4日以来、約800年ぶりのことだった。
火星と金星が地球から見てこれほど接近したのは、最近では2019年8月24日だ。しかし、Astronomy.comによると、その時は太陽に近すぎたため、見ることがでなかった。
もし今回見逃しても、2024年2月22日に火星と金星の「合」を観測することができる。ただし、今回ほど接近することはない。Astronomy.comによると、今回のような接近を見るには、2034年5月11日まで待たなければならない。
(翻訳、編集:Toshihiko Inoue)