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ミレニアル・Z世代の投資感覚に見る「共感資本主義」の台頭【音声付・入山章栄】

今週も、早稲田大学ビジネススクールの入山章栄先生が経営理論を思考の軸にしてイシューを語ります。参考にするのは先生の著書『世界標準の経営理論』。ただし、本連載はこの本がなくても平易に読み通せます。

経済活動においても大きな力を持ち始めたZ世代。彼らの投資感覚や消費感覚には、上の世代には見られなかったある特徴があるようです。それはいったい? 入山先生が深掘りしていきます。

【音声版の試聴はこちら】(再生時間:13分09秒)※クリックすると音声が流れます


株よりもスニーカーに投資する理由

こんにちは、入山章栄です。今回はBusiness Insider Japan編集部の小倉宏弥さんからの質問について、読者のみなさんと一緒に考えていきたいと思います。


BIJ編集部・小倉

BIJ編集部・小倉

海外ニュースによると、いま海外のZ世代で投資をする人が増えているそうです。ただし投資の対象は株などの金融商品だけでなく、例えば好きなアーティストが支持するものや、自分が気に入ったスニーカーやバッグ、あるいは仮想通貨やNFT(非代替性トークン)などのオルタナティブ資産に投資する傾向があるのだとか。

こういう投資観はZ世代に限ったことなのか、それともこれから世代を超えて広がっていくのか。入山先生はどうご覧になりますか?


たしかに最近の投資に関するニュースを見ていると、今までにない新しい動きが生まれているようですね。ゲーム感覚で簡単に投資できるアプリ「Robinhood(ロビンフッド)」がアメリカの若者の間で大人気だとか、ツイッター社のCEOであるジャック・ドーシーが、自身の初ツイートをNFTで競売にかけたところ、ものすごい高値で売れたとか。

さらに今、若者たちは自分が「いい感じ」だと思うスニーカーを買って、美術品や骨董品のように将来値上がりするのを期待するようになっているというわけですね。

実は僕は先日、建築家の谷尻誠さんと、某メディアの企画で自動車をテーマに対談しました。谷尻さんはポルシェ993のオーナー。もちろんポルシェが好きだから乗っているのですが、「持っていると価値が上がる」という理由もあるというのです。

クルマは一般的には乗っているうちに価値が減るものだと思われていますが、実はうまくメンテナンスしながら長期間保有すると、むしろ資産価値が上がるクルマも世の中には存在する。その典型がポルシェなんですね。

またわれわれ日本人は、家は買った瞬間から値下がりするものだと思っているでしょう。しかし海外では築年数は住宅の価格とあまり関係がないので、「この家はそのうち高く売れるかもしれない」という発想をします。だから手入れをしながら大事に住む。

そんなふうに、もともと海外の人たちには「資産感覚」というべきものがあった。そこへデジタルでさまざまなものに気軽に投資できる技術が登場したことで、スニーカーやバッグなどにも投資の対象が広がってきたのかもしれません。


BIJ編集部・小倉

BIJ編集部・小倉

そうですね。実はスニーカー自体もそうですが、スニーカーの関連株も上昇しているようです。ということはスニーカーというモノだけでなく、関連株を含めて、共感性が強いところに投資する動きが出てきているわけですね。


BIJ編集部・常盤

BIJ編集部・常盤

共感できるところにお金を使うというのが、ミレニアル世代やZ世代の大きな特徴かもしれません。つまり「消費とは資本主義における投票行動である」という考えが、上の世代よりも強い。

逆もしかりで、「この会社にはまったく共感できない」となると、不買運動をしたりすることにも積極的です。


はい、興味深いですよね。僕は若い世代が「消費=投票」だと考えるようになった背景には、SNSなどを通じて、価値観が似た人とつながりやすくなったことが関係しているのではと考えています。

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