- ラスベガスのプール・パーティーに参加したワクチン接種済みの8人の医療従事者がCOVID-19に感染したという。
- 勤務先のCEOは、彼らにはアレルギーや風邪に似た症状があったとラスベガス・レビュー・ジャーナル紙に語った。
- 少なくとも7人が感染力の強いデルタ株だったという。
2021年6月7日にラスベガスで開催されたプール・パーティーに参加した医療従事者のうち、少なくとも11人(うち8人は予防接種を完了していた)がCOVID-19の陽性反応を示したと、ラスベガス・レビュー・ジャーナル(Las Vegas Review-Journal)紙が地元の保健センターからのメールを引用して報じた。
ブラウン・メディア・イノベーション研究所が入手した南ネバダ保健管区からの電子メールによると、11人のうち少なくとも10人が感染力の強いデルタ型コロナウイルスに感染していたという。
この11人が勤務していたサンライズ・ホスピタル・アンド・メディカル・センターのトッド・スクランバーグ(Todd Sklamberg)CEOは同紙に対し、6月7日に行われた「外部のプライベート・パーティー」が感染源であると述べている。
同CEOによると、彼らはアレルギーや風邪に似た症状があったため、検査を受けることにした。レビュー・ジャーナル紙によると、彼らは保健所に依頼した予備検査の結果を受けて自己隔離し、ウイルスを拡散させなかったという。
11人の従業員のうち8人はワクチン接種を完了しており、2人は1回だけワクチンを接種し、1人はワクチンを接種していなかったと、同紙は電子メールを引用して報じている。
この記事では、彼らがどのCOVID-19ワクチンを受けたかは明らかにされていない。
保健管区の代表者であるステファニー・ベテル(Stephanie Bethel)は、レビュー・ジャーナル紙に対し、調査の結果、彼らに投与されたCOVID-19ワクチンは適切に、保管され、投与されていたことがわかったと述べている。ワクチンには100%の効果があるわけではなく、それを回避する感染も考えられると彼女は付け加えた。
現在、アメリカではデルタ株が主流となっており、ネバダ州でもCOVID-19の新規感染者の約80%を占めている。
データによると、ファイザー社のワクチンの場合、デルタ株による発症の予防に、1回の接種で33%、2回の接種で88%の効果があるとされている。
アメリカ疾病予防管理センター(CDC)は5月1日から、ワクチンを接種した人の間で報告されたすべての症例の追跡することやめ、入院や死亡に至った症例にのみ注目しているため、ワクチン接種を受けたアメリカ人のうち、どれだけの人がデルタ株に感染したかを知ることは困難だ。CDCのデータでは、このラスベガスの医療従事者の感染はカウントされないと思われる。
ネバダ州ではワクチンを接種した人の重篤な症例は、ワクチンを接種していない人に比べて非常に少ない。ラスベガスのサザンヒルズ病院のチーフメディカルオフィサーが7月13日に地元テレビ局のKTNVに語ったところによると、同病院のCOVID-19患者の80%はワクチンを接種しておらず、集中治療室にいるCOVID-19患者のほぼ全員がワクチンを接種していなかったという。
ネバダ大学公衆衛生学部の疫学の助教授であるブライアン・ラブス(Brian Labus)は、レビュー・ジャーナル紙に対し、ワクチンの接種はシートベルトを着用するようなものだと語った。
「交通事故でシートベルトをしていた人が稀に死ぬことがあるからといって、シートベルトをしなくていいということにはならない。大多数の人を守ることができるのだから」
(翻訳、編集:Toshihiko Inoue)