電気自動車(EV)の急速な拡大予測に応じて、車載電池市場にも大きな変化が生まれようとしている。
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近年、電気自動車(EV)の需要が急増していることは周知の事実だ。
つい最近までは、通りでEVを見かける機会などほとんどなかったが、いまやごくありふれた日常になりつつある。結果として、EV関連銘柄は株式市場でも引っ張りだこが続いている。
テスラが自動車市場の電動化をリードし続ける一方で、レガシー自動車メーカーも市場シェアを大きく伸ばしてきている。
テスラ出身の最高経営責任者(CEO)率いるルーシッド・モーターズ(Lucid Motors)やシャオペン(Xpeng、小鵬汽車)など有望視されるスタートアップの参入もあり、競争はかつてない激しさを見せている。
幸福なことに、投資家としてこのEVの普及拡大から利益を得る方法は、テスラ株を買う以外にもある。
リー・ジョンホー(李俊昊)を代表とする米銀バンク・オブ・アメリカ(バンカメ)のアナリストチームは、最近の顧客向けレポートで、EV需要が今後いかにして車載電池関連銘柄の値動きを後押ししていくか、分析している。
レポートは従来のEV向け車載電池の需給見通しをアップデートし、世界の電池供給は2025年までに「完売状態」になると指摘。
さらに悪いことに、2026年から30年にかけてはEVの普及拡大が続き、供給不足は深刻化の一途をたどるという。
EVを購入する側にとっては良いニュースとは言えないが、車載電池メーカーや電池部品サプライヤーの視点から考えると、こうした需給の不均衡(端的には供給不足)はしばらくの間、利益をもたらしてくれる朗報だ。
バンカメは最近、グローバル自動車市場におけるEVのシェア見通しもアップデートしている。それによれば、2030年までにEVのシェアは40%、40年には67%に達するという【図表1】。
【図表1】グローバル自動車市場における電気自動車(EV)シェアの推移および見通し。
Bank of America
同レポートでは、バンカメが新たに公表した「グローバル・EVバッテリー・バリューチェーン・インジケーター」についても詳しく解説。
世界の「主要バリューチェーン」企業26社について、EV向け車載電池の売上高の動向を追ったこの新たなデータによれば、電池メーカーの売上高は今後も加速を続けるとみられる。
こうした見通しをもとに、アナリストチームは、EV向け車載電池関連銘柄のなかで、投資家にとくに推奨したい銘柄を選出した。以下の6銘柄がそれだ。
なお、個別銘柄の売買を避けたい投資家は、リスク分散された上場投資信託(ETF)も選択肢になる。
「グローバルX リチウム&バッテリー・テクノロジーETF」には、バンカメが選出した6銘柄のうち3銘柄、「アンプリファイ・リチウム&バッテリー・テクノロジーETF」には4銘柄が含まれる。
パナソニック(Panasonic)
Markets Insider
日本ゼオン(Zeon)
Markets Insider
サムスンSDI(Samsung SDI)
Markets Insider
クレハ(旧呉羽化学、Kureha)
Markets Insider
SKイノベーション(SK Innovation)
Markets Insider
リードインテリジェント(Wuxi Lead Intelligent Equipment、無錫先導知能設備)
MarketWatch
(翻訳・編集:川村力)